大雨に爆風、降り注ぐ赤い物体「地獄のよう」…岡山(7月8日)
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活発化した前線がもたらした豪雨は、岡山県内に深い爪痕を残した。県内初の大雨特別警報の発表から一夜明けた7日、時間がたつにつれて、深刻な被害が次々と判明。総社市では工場が爆発したほか、倉敷市など各地で冠水による孤立が相次ぎ、岡山市などでも多くの住民が避難所に身を寄せた。特別警報は午後に解除されたが、気象庁は「これまでの雨で地盤が緩んでおり、引き続き警戒が必要」としている。
◆「これまでに経験ない」

6日深夜に爆発が起きた総社市下原の金属加工会社の工場周辺では、爆風で民家の瓦が飛ばされたり、ガラスが割れたりするなどの被害が出た。
近くに住む女性(63)は自宅で「ドン」という爆発音を聞いた直後、燃えたアルミ片とみられる赤い物体が降ってきたため、思わずテーブルの下に身を隠したという。屋根に穴が開いており、「何が起こったかもわからず、とにかく地獄のようだった。ここで死ぬのかと思った」と声を震わせた。
工場から北約2キロの市立神在小学校では、入り口のドアの窓ガラス1枚にひびが入った。当時、大雨で富原地区の約120人が避難しており、富原自治会長の下山茂さん(71)は「大雨と爆発という、これまでに経験のないことが起きた」と不安そうに話していた。
◆雨量観測史上最大
岡山地方気象台によると、降り始めの5日午前2時から7日午後2時までの総雨量は、鏡野町富西谷で453ミリ、新見市足見堂の下で423ミリ、真庭市中島で415.5ミリなどを記録。午後3時半までの24時間雨量は、鏡野町富西谷で287.5ミリを観測するなど、県内25観測所のうち9か所で観測史上最大となった。