首都高の料金、時間帯で変動させ交通量を調整へ

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混雑する首都高湾岸線(昨年12月、東京都品川区で)
混雑する首都高湾岸線(昨年12月、東京都品川区で)

 2020年東京五輪・パラリンピック中の渋滞緩和のため、開催都市の東京都や国、大会組織委員会は、首都高速道路の通行料金を時間帯によって上下させて交通量を調整する「ロードプライシング」を導入する方針を固めた。沿線自治体との調整を経て、今夏には具体的な料金案を決める見通し。大会期間中の渋滞緩和策の切り札としてだけでなく、大会のレガシー(遺産)として、大会後も首都圏道路網の混雑解消に活用したい考えだ。

 組織委の調査によると、大会関係者の輸送に使う首都高の渋滞は大会期間中、平常時の2倍程度になると見込まれ、大会運営や経済活動に支障が出る恐れがある。組織委や都は、一般道も含めた「都心部の交通量15%減」を目標に、経済団体や物流業界などに協力を呼びかけているが、その効果は不透明だ。

 そこで組織委や都は、海外で効果が実証されているロードプライシングに着目。首都高の平日の交通量は現在、1日約109万台で、通行料金は最大1300円(ETC普通車)だが、関係者によると、首都高運営会社の試算では、普通車などの通行料金を午前6時~午後10時は500円上乗せし、それ以外の時間は半額とした場合、交通量が1日最大5万台(5%)減少するという結果が出たという。

 国土交通省と都、組織委などはすでに、担当者による会合を開いて具体的な料金案や効果について検討を始めた。大会関係者の輸送が多い時間帯は現行料金の2倍程度とし、輸送が少ない時間帯をその分値下げする案が出ている。

 首都高の料金変更には都や神奈川、千葉、埼玉など沿線自治体の議会の同意も必要になることから、近く各自治体や物流業界などとの調整を行い、19年末頃までに同意を得た上で、周知期間を経て20年7月に開幕する大会時の導入を目指す方針だ。

 都は、ロードプライシングを大会後も活用したい考えで、交通量の増える時期に限定するか、継続的に実施するかなどについても検討を進めている。

 また、首都高だけでロードプライシングを導入すると、一般道に車が集まって都心部の渋滞が悪化する恐れもある。都心部を迂回うかいする車両を増やすため、将来的に、首都高の外側を走る東京外郭環状道路(外環道)や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の通行料の割引も並行して検討する。

 国交省によると、渋滞による経済的損失は全国で年間約280万人分の労働力に匹敵し、首都圏だけで3割を占める。大会関係者は「大会を機に、ロードプライシングを新たな都市政策の目玉として活用し、渋滞の根本的な解決につなげたい」としている。

 ◆ロードプライシング=通行料金を変動させて交通量を調整する手法。英ロンドンでは2003年、市中心部に進入する車から料金を徴収する課金制度を開始し、混雑が3割程度減少する効果が表れた。シンガポールでも時間帯ごとに料金を上下させ、交通量削減に成功したという。国内では、阪神高速道路で市街地の排ガス抑制策として、迂回(うかい)するトラックなどの料金を割り引く制度を導入している。

58462 0 国内 2019/01/07 15:00:00 2019/01/07 15:00:00 2019/01/07 15:00:00 混雑する首都高湾岸線(28日午前10時55分、東京都品川区で)=吉川綾美撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190107-OYT1I50020-T.jpg?type=thumbnail

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