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    正男氏殺害、無罪の可能性も…審理継続か判断へ

    • 金正男氏=ロイター
      金正男氏=ロイター

     【バンコク=大重真弓】北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男ジョンナム氏がマレーシアで殺害された事件で、クアラルンプール近郊の高等裁判所は16日、実行犯として殺人罪で起訴された女2人について、無罪か審理継続かの判断を示す。犯行の動機や北朝鮮の国家的な関与は不明で、真相解明が進まないまま、裁判は節目を迎える。

     女2人は、インドネシア国籍のシティ・アイシャー被告(26)とベトナム国籍のドアン・ティ・フオン被告(30)で、公判は昨年10月に始まり、検察側が立証に向け証人尋問を行ってきた。

     高裁が検察側の証拠を認めて審理継続の判断を示せば、弁護側の証人尋問が始まる。無罪となれば、両被告はいったん釈放される。ただマレーシアの裁判は3審制のため控訴や上告が可能で、殺人罪で有罪が確定した場合は死刑となる。

     起訴状などによると、両被告は昨年2月13日、クアラルンプール国際空港で、北朝鮮国籍の男4人と共謀し、猛毒の神経剤「VX」を正男氏の顔に塗りつけて殺害したとされる。VXは遺体から検出されている。

     焦点は、両被告の殺意の有無だ。公判で両被告の弁護人はともに、「いたずら動画の撮影と思っていた」と殺意を否定し、「北朝鮮国籍の男4人に仕組まれた」と無罪を主張している。

     検察側は、空港の防犯カメラの映像から、フオン被告が「犯行直後にトイレで手を洗った」との見方を示し、両被告は正男氏に塗りつけた液体が猛毒だと知った上で犯行に及んだと殺意を主張。「(確実な殺害のため)VXの浸透が早い目を狙った」とも指摘した。

     ただフオン被告の爪からVXが検出されたが、シティ被告の爪からは検出されていない。シティ被告の弁護人は本紙に、「無罪を確信している」と述べた。

     公判では、捜査関係者の証言で、殺害直前に正男氏が、マレーシア北部の島で米国籍の諜報ちょうほう関係者とみられる人物と会った可能性が浮上したが、事件との関連は明らかでない。北朝鮮国籍の男4人も行方が分からず、訴追されていない。

    2018年08月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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