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    福島の出産異常症例、全国並み「事故影響ない」

     2016年度に福島県内であった出産のうち、早産や先天奇形・異常などの症例の割合が全国平均とほぼ同じ水準だったことが、県立医大の調査で分かった。

     東京電力福島第一原発事故後に放射線の影響を懸念する声があった中、調査を担当する同大の藤森敬也教授(産科婦人科学)は、「原発事故の胎児への影響はおそらくない」と結論づけた。

     妊産婦に対する調査は、県民健康調査の一環で実施。5日に福島市内で開かれた同調査の検討委員会で、同大が最新データを報告した。

     調査は、市町村が持つ母子健康手帳の交付情報を利用したり、産科医療機関の協力を得たりして進めた。対象の1万4154人のうち、51・8%に当たる7326人が回答した。

     同大によると、16年度の早産の割合は5・4%。11年度以降は4・8~5・8%で推移し、全国平均(16年)の5・6%とほぼ同じだった。また、生まれつき体の形や遺伝子に異常を持つ「先天奇形や先天異常」の発生率は2・5%だった。先天奇形などは調査ごとに集計方法が異なるが、全国平均は3~5%程度とされるという。

     母親の不安も緩和傾向にある。出産経験者に対する調査では、「次回の妊娠を希望しない」との回答が44・4%に上った。この回答者に複数回答で理由を尋ねたところ、「放射線の影響が心配」を挙げたのはわずか1・2%だった。12年度の14・8%と比べると10分の1以下に減った。

     その一方で、原発事故のあった11年度に出産した母親が、依然不安を抱えていることもわかった。11年度の出産時の電話相談内容と4年後の内容を比較したところ、「放射線の心配」は11年度に29・2%だったが、15年度は25・6%と減少はわずかだった。藤森教授は「11年度に出産した人は、強い不安が続いているようだ。継続的な相談体制が必要だ」と話している。

    2018年03月08日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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