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    原発避難、国と東電の責任認め賠償命じる判決

     東京電力福島第一原発事故で、福島県や千葉県などから京都府に避難した57世帯174人が、国と東電に総額約8億5000万円の損害賠償を求めた集団訴訟で、京都地裁は15日、国と東電に対し、原告のうち110人に計約1億1000万円を支払うよう命じた。

     国の指針で賠償対象外とされた原告の7割も救済した。

     全国で起こされた約30件の同種訴訟で、4例目の判決。国の責任も認めたのは前橋、福島両地裁に続き3例目となる。

     浅見宣義のぶよし裁判長は判決で、国の地震調査研究推進本部が2002年7月に公表した地震活動の長期的な予測について「国の専門機関が地震防災のために公表した見解」と合理性を認め、大規模な津波の到来は予見できたとした。そのうえで、国は遅くとも06年末までに東電に対し、行政指導などの規制権限を行使すべきだったと指摘。東電と同等の賠償責任がある、とした。

     国は避難者らへの賠償基準を定めた中間指針で、福島県内14市町村の避難指示区域と、区域外の県内23市町村を賠償対象とし、東電はこれに基づき慰謝料を支払っている。

     これに対し、今回の原告の約2割にあたる10世帯29人は賠償対象外の栃木や茨城など5県からの自主避難者。原告側は裁判で被曝ひばく線量が年間1ミリ・シーベルト超ならば避難は相当として原則1人550万円の賠償を求めていた。

     判決は「低線量被曝の知見には未解明の部分が多い」と、これを退けたが「各自がリスクを考えて避難したとしても社会通念上、相当な場合はあり得る」と指摘。賠償対象外の原告も▽原発からの距離▽避難指示区域との近接性▽地元自治体の自主避難の状況――などの要素を考慮し、避難が妥当な場合がある、とした。

     そのうえで、過去の訴訟で認められていた茨城県に加え、新たに栃木、千葉両県からの自主避難者を含む賠償対象外の21人に約2万~約370万円の支払いを認めた。

    2018年03月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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