占い儀式のカメ甲羅確保…宮内庁、大嘗祭へ準備

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大嘗宮の儀のため、大嘗宮に向かわれる天皇陛下(1990年11月)
大嘗宮の儀のため、大嘗宮に向かわれる天皇陛下(1990年11月)
平成の大嘗祭の亀卜で使われた甲羅
平成の大嘗祭の亀卜で使われた甲羅

 来年5月1日の天皇の代替わりまであと半年。宮内庁では皇位継承に伴う皇室の儀式「大嘗祭だいじょうさい」の準備が進んでいる。代替わり直後にカメの甲羅を使う占いの儀式を控えており、東京・小笠原で希少なアオウミガメの甲羅を確保した。年度内に加工を終えるため、近く委託業者を選定する。

 占いの儀式は来年5月にも行われる「斎田点定さいでんてんていの儀」。カメの甲羅を焼き、ひび割れの具合をみる古来の占い「亀卜きぼく」で、同11月に皇居で行われる大嘗祭の中心儀式「大嘗宮だいじょうきゅうの儀」に使う新穀を収穫する都道府県を東西から一つずつ選ぶ。

 亀卜は大宝律令が制定された701年には行われていたという。宮内庁は天皇陛下の退位日が決定した昨年12月にはウミガメ保護・研究の拠点がある東京都小笠原村に協力を依頼。今年春に捕獲されたアオウミガメ8頭分の甲羅を確保した。

 アオウミガメの甲羅は1987年にワシントン条約で輸入が禁止され、各自治体では捕獲の規制が進むが、村の担当者は「長年の保護活動で産卵数が増加傾向にあり、皇室行事への提供も理解が得られると判断した」と説明する。

 62年ぶりとなった90年の大嘗祭では同庁職員らが甲羅探しに奔走。小笠原村でようやく確保したが、元職員三木そうぎ善明さん(70)は「昭和天皇の崩御に伴う代替わりで表立った準備ができず、綱渡りだった」と振り返る。同庁が「斎田点定の儀」の約1年半前から動き出したのは、このときの経験があったためだ。

 今後は亀卜に使う甲羅を加工する段階に移る。同庁が業者を選定するが、熟練の技術が必要だ。平成の大嘗祭で加工に携わった元べっ甲職人高橋秀治さん(56)は「甲羅を極限まで薄くする必要があった」と明かす。

 亀卜でヒビが入りやすいよう、厚さ1ミリ程度にまで削るよう求められた。高橋さんは1928年の昭和の大嘗祭を経験した職人から古来の技を学び、約1か月かけて将棋の駒の形(縦24センチ、横15センチ)の甲羅を完成させた。職人は辞めて現在は会社員だが、「求められれば伝統技術の継承に協力したい」と話している。

 ◆大嘗祭=新天皇が五穀豊穣(ほうじょう)と国家の安寧を祈る儀式。天皇が一代一度だけ臨む。初例は7世紀後半の天武天皇とされる。宗教的性格が濃いため、国事行為の「即位の礼」とは別に、皇室の行事として行われる。

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47345 0 国内 2018/11/01 09:27:00 2018/11/01 09:27:00 2018/11/01 09:27:00 大嘗祭で使う新穀の栽培場所(斎田)の都道府県を決める「斎田点定の儀」の「亀卜(きぼく)」で用いられた亀甲。「亀卜」は、亀の甲羅を焼いてうらなう古代からの決定方法。1990年2月撮影。1990年2月撮影。2月8日夕刊「古代からの“秘儀”亀卜」掲載。※紙焼き入力。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181101-OYT1I50008-T.jpg?type=thumbnail

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