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    抑留死名簿新たに1万人、シベリア外2130人

     厚生労働省が公表した抑留死亡者の名簿はこちら
    • 厚労省が公表した旧ソ連による抑留中に死亡した人のロシア語で書かれた名簿
      厚労省が公表した旧ソ連による抑留中に死亡した人のロシア語で書かれた名簿

     厚生労働省は30日、第2次世界大戦後に旧ソ連が設置した収容所などで死亡した日本人抑留者のべ1万723人の名簿を新たに公表した。

     このうち、現在の北朝鮮や南樺太(現サハリン)など、シベリア以外の抑留死亡者は2130人。厚労省はこれまでシベリア以外での死亡者の名簿を公表していなかったが、戦後70年となり、遺族への情報開示を進めるため、保有資料をすべて公表することにした。

     名簿は、旧ソ連が作成し、ロシアの国立軍事古文書館や国防省などが開示した死亡者名簿などを基に、厚労省がまとめた。カタカナ氏名と死亡日、埋葬地を明らかにし、日本側資料との照合で身元が特定できた2660人については、漢字氏名と出身地も併記した。

     地域別では、シベリア抑留(ナホトカなど沿海地方を含む)の死亡者が8593人。残る2130人はシベリア以外で、内訳は、▽朝鮮半島北部(現在の北朝鮮)興南地区1853人、元山地区11人▽中国・大連178人▽南樺太・千島列島88人――だった。

     名簿はおおむね、抑留先の収容所や病院、強制労働を目的に振り分けられた「労働大隊」などの単位で作成されている。今回の公表で、南樺太・千島列島の死亡者のうち30人以上が労働大隊に所属していたことが判明。抑留に詳しい研究者は「シベリア以外でも強制労働があったことが裏付けられた」と指摘した。

     ただ、抑留中に死亡したのに名簿に氏名がない人もおり、厚労省はロシア側の資料をすべて取得できたわけではないと思われる。同一人物が重複して名簿に掲載されているケースもあるとみられ、厚労省は精査を進める。

     抑留死亡者の調査を巡っては、1991年に来日した当時のゴルバチョフ大統領からシベリアでの死亡者名簿(約3万7000人分)が提供されたのを機に、旧厚生省が本格着手。原則、身元を確認して公表してきた。シベリア以外の死亡者名簿も、2000年以降に入手していたが、シベリアの調査を優先して公表はしていなかった。

     4月に読売新聞がシベリア以外の死亡者名簿の存在を報道。厚労省は、身元を確認できていなくても早急に公表する方針に転じた。名簿は厚労省のホームページにも掲載された。

     塩崎厚労相は30日、「公表が遅れたことは申し訳ない。ご遺族の問い合わせに応じ、身元の特定に努めたい」と述べた。

     ◆日本人抑留者=1945年8月の終戦後、旧ソ連に拘束され、収容所に送られた日本軍人や民間人ら。厚労省の推計によると、約57万5000人がシベリアやモンゴルなどで森林伐採や鉄道敷設などの強制労働に従事させられ、うち約5万5000人が死亡した。

    2015年05月01日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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