塀の中のおばあさん(9)転ばぬ先の筋トレ1時間

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専門家の指導で、筋トレをする受刑者(岐阜県笠松町の笠松刑務所で、写真は一部加工しています)
専門家の指導で、筋トレをする受刑者(岐阜県笠松町の笠松刑務所で、写真は一部加工しています)

 「膝に負担をかけないよう、内ももの筋肉を使いましょう」「ではいきますよ。せーのっ」

 講師の声にあわせて、講堂に「イチニサンシ、ゴロクシチハチ、ニニサンシ、ゴロクシチハチ」の声が響き渡る。

 午後2時。高齢受刑者6人を対象にした「健康運動指導」が始まった。講師は、民間のトレーナーだ。

 刑務所の矯正処遇には「改善指導」といって、心身を健康に保ち、社会生活に適応できる知識や生活態度を習得させるプログラムがある。「窃盗防止教育」「薬物依存離脱指導」「就労支援指導」などがあり、今、行われている健康運動指導もその一つだ。

 年を取ってくると足腰が弱くなり、転倒しがちになる。特に女性の場合、骨がもろくなり、転倒が大きなダメージを及ぼすこともある。そこで、足腰を鍛える必要性が高いと判断された受刑者らが月2回、プログラムを受けている。

 ボールを膝に挟み、落とさないように椅子に座ったり、立ち上がったり。床に敷いたマットの上で手足のストレッチもし、1時間、たっぷり体を動かした。

 隣の部屋では、「社会復帰支援指導」として歯科衛生士による講義が行われていた。

 「皆さんは歯ブラシ、どう持ちますか? 実は、鉛筆の持ち方が正解。裏側の汚れも取れやすい」。うなずき、歯ブラシの持ち方や磨き方を教わる受刑者たち。所内には常勤の歯科医がいないため、定期的に歯科医と歯科衛生士が来て治療や指導にあたる。

 この日、講師を務めた歯科衛生士は「所内の方は外にいる方に比べ、口の中が大変な状態になっていることが多い。刑務所に入る前、歯医者に行くことができなかった人が多いのかなと感じます。『もっと若い頃にこうした知識を身に付けておきたかった』と話される方もおられますね」と語る。

 (文・猪熊律子、写真・山岸直子)

 (続く

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434083 0 密着Document 2019/01/31 15:00:00 2019/02/12 10:11:38 2019/02/12 10:11:38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190131-OYT8I50044-T.jpg?type=thumbnail

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