塀の中のおばあさん(10)内と外 表情変わる美容院

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明るく落ち着いた雰囲気の美容院で、受刑者に髪を乾かしてもらう(岐阜県笠松町の笠松刑務所で、写真は一部加工しています)
明るく落ち着いた雰囲気の美容院で、受刑者に髪を乾かしてもらう(岐阜県笠松町の笠松刑務所で、写真は一部加工しています)

 受刑者が行う刑務作業には、工場で製品を作ったり、炊事や洗濯をしたりするほかに「職業訓練」がある。

 「介護福祉科」「客室清掃実務科」「ビルハウスクリーニング科」など数あるメニューの中で、笠松刑務所の看板といえるのが「美容科」だ。訓練期間は2年間。修了者の大半が美容師国家試験に合格するという。

 「60年以上の歴史を持つ職業訓練です。美容師の資格を得た受刑者が刑務作業の一環として、地域の方の髪を切ったり、パーマをかけたりする『みどり美容院』も人気です」。職員の説明を聞き、早速、みどり美容院を訪れた。

 美容院は、刑務所の中からも外からも入れる仕組み。植木や花が飾られた明るい雰囲気の美容院に中から入ると、美容師の受刑者がおり、すぐ近くに見守り役の刑務官がいる。美容師は顔をあげず、目を伏せたまま。何となく暗い雰囲気なのが気になった。

 「職員も利用します。シャンプーは気持ちよくてつい眠りそうになりますよ」。職員の言葉に、翌日、シャンプーをしてもらうことにした。

 今度は外から一般客と同じように入ると、受刑者が美容師らしく、にこやかに迎えてくれた。前日の態度は、受刑者は通常、部外者とは視線を合わさないという規則のためだとわかった。

 促されてシャンプー台に横たわる。洗い、すすぎと、実に丁寧な仕事ぶり。「眠くなる」と言われた理由がわかった。鏡の前に移動して、頭皮や肩のマッサージ。いつまでもやっていてほしくなる。

 シャンプーの料金は500円(ショートの場合)。カットはブロー付きで900円。常連さんもいると聞き、納得した。美容院で作業するようになって受刑者が明るくなったという話を聞き、こちらについてもそうだろうなとうなずいた。

 (文・猪熊律子、写真・山岸直子)

 (続く

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435909 0 密着Document 2019/02/01 15:00:00 2019/02/12 16:07:24 2019/02/12 16:07:24 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190204-OYT8I50042-T.jpg?type=thumbnail

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