政治ショーに終わるか 米朝首脳会談

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米朝首脳会談後に会場となったホテルの庭を歩くトランプ氏と金正恩氏(6月12日)=ロイター
米朝首脳会談後に会場となったホテルの庭を歩くトランプ氏と金正恩氏(6月12日)=ロイター

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は6月12日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談を行い、「完全な非核化」に取り組むことで合意した。だが、北の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」に向けた具体的な手順や方法を示さないまま終わり、両首脳による政治ショーの色彩が際立つ結果となった。米国は今後、閣僚級協議で非核化の詳細を詰める方針だが、アジアの地政学上のバランスにも大きな影響を及ぼす北朝鮮の核問題がどういう形で決着するのか、不透明感が漂う。

非核化の検証方法も手順も決まらず

 会談後、トランプ氏は65分間に及んだ記者会見で、昼食をはさんで約3時間半会談した金氏について「すばらしい人物で頭が良い」「逸材」などと絶賛してみせ、「会った瞬間に我々は馬が合うのがわかった」と話した。2人は会談場所のホテルに入った時こそ表情が硬かったが、途中、笑みを浮かべながら散策する場面を記者団に公開するなど、時間と共に雰囲気は明らかに良くなっていった。

 2人が会談の成果文書として署名した共同声明は、トランプ氏が「北朝鮮に対し安全の保証を提供することを約束し」、金氏が「朝鮮半島の完全な非核化に向けた揺るぎない決意を再確認し」、新たな米朝関係を樹立することをうたった。ただ、非核化の手順や期限、検証方法などには一切、言及がない。

 北朝鮮との交渉の先頭に立ってきたポンペオ国務長官が会談前日の夕方まで、「受け入れ可能な唯一の成果」としてきたCVID、すなわちComplete(完全で)、Verifiable(検証可能)、Irreversible(不可逆的)なDenuclearization(非核化)のうち、最も肝要と見られた「V」に関する部分は声明から抜け落ち、「I」も見あたらなかった。

 トランプ氏は記者会見で、「とても歴史的な会談だった」などと繰り返し、北朝鮮が非核化に同意したことを一大成果だと自賛した。帰国後には公式ツイッターに「北朝鮮の核の脅威はもうなくなった」とも投稿した。

 記者団の質問は、CVIDが入らなかったのは米国が譲歩したからではないか、工程表もない中、北朝鮮が非核化を実施するとなぜ信用できるのか―に集中した。トランプ氏は、CVIDでの米国の譲歩は「一切ない」と強調し、「金委員長は帰国後、即座に非核化プロセスに取り組むはずだ」との見通しを示した。また、北朝鮮に対する経済制裁を現時点で解除する考えはないと強調した。

 ただ、北朝鮮が非核化に取り組む根拠を重ねて問われても「事実として、彼(金氏)が(非核化を)やりたがっていることを知っている」とあいまいな回答に終始し、詳細な工程表を策定しなかった理由については「たかだか1日の会談では、そんな時間はなかった」と開き直った。

 つまるところ首脳会談で合意したのは、米国が北朝鮮に求めていた非核化と、北朝鮮が米国に求めていた体制の保証についてスタート地点に立ち、具体的な中身は継続協議にするということだ。

 米側は北の体制保証に関し、素早く動き、会談から1週間後、8月に予定していた韓国との定例合同軍事演習「フリーダム・ガーディアン」を中止すると発表した。朝鮮半島有事における米韓の指揮命令系統を確認する机上演習で、北朝鮮側がかねて中止を求めていたものだ。その後も米韓両国の海兵隊による二つの合同訓練を中止するとたたみかけた。

 米国の狙いは、これを呼び水に北朝鮮に非核化で具体的な行動を促すことにあったはずだ。しかし、北朝鮮側の動きは極めて鈍く、「またしても時間稼ぎに出ているのではないか」との観測が出ている。

 米側の交渉責任者となったポンペオ国務長官は7月6、7両日に訪朝し、北朝鮮側と非核化の進め方や、核・ミサイル関連施設の申告や査察の方法などについて協議した。長官は翌8日に東京で日米韓外相会談に臨んだ後、記者会見し、協議で「進展があった」「北朝鮮は非核化に取り組むと改めて言った」などと強調したが、具体的に決まったのは朝鮮戦争時に北朝鮮に取り残された行方不明米兵の遺骨返還について協議を継続することくらいで、今後の交渉の道筋も見えない。

 北朝鮮側は7日、協議でポンペオ氏が「CVIDだ、検証だと言って、一方的な非核化要求を持ち出した」と非難する談話を発表しており、協力的な姿勢からはほど遠い。

 最大の焦点である非核化の期限についても、ポンペオ氏は北朝鮮側と長時間、話し合ったものの「具体的な工程表を設定するには、まだ多くの仕事がある」と認めざるを得なかった。そもそも、米朝首脳会談の翌日には記者団に対し、「2年半以内に非核化を実現できる」と楽観的だったが、その後、期限については区切らない方が良いとの考えを示すなど、発言が大きく後退している。

 北朝鮮が誠実に交渉していると思う根拠を記者団に問われても、「だってそうだから」「金委員長は約束したから」と答えるしかなかった。

 「完全な非核化」についての米朝の認識のギャップはすでに明らかだ。北朝鮮の朝鮮中央通信は、首脳会談の翌日には「段階別の同時行動原則の順守が重要だ」との点で一致したと伝えている。北朝鮮は非核化を段階的にしか進めず、その都度、米国などから「見返り」を求めるという従来の立場を改めて主張した形だ。

 「非核化」の対象が北朝鮮ではなく「朝鮮半島」である点も、当初から指摘されていたように、今後に火種を残した。北朝鮮が今後、在韓米軍が核を持ち込んでいないことの保証やそのための査察などを持ち出す可能性があるからだ。

より多くを得点したのは……

 トランプ氏は首脳会談後の記者会見で、会談から米国が得たものとして、〈1〉完全な非核化に向けた北朝鮮の確約〈2〉北朝鮮に拘束されていた3人の米国人の解放〈3〉朝鮮戦争時の戦争捕虜・行方不明米兵の遺骨回収への協力〈4〉北朝鮮がミサイル・エンジン燃焼実験場を閉鎖するとの約束――を挙げた。

 一方で、北朝鮮にとっては会談の実現そのものが外交的勝利だ。経済は破綻し、国際社会から孤立した「ならず者国家」の若き独裁者が、世界随一の超大国の指導者と同じ舞台に立った。北朝鮮の朝鮮中央テレビが「世界が見守った歴史的瞬間」として会談の模様を伝える記録映像を放映するなど、金氏は国内における自らの権威付けに会談を利用している。

 北朝鮮側のもう一つの重大な得点は米韓合同軍事演習の中止だ。トランプ氏は在韓米軍の将来的な削減にも言及しているが、いずれも北朝鮮が長年、体制保証の一環として強く求めてきたことだ。

 北朝鮮にすれば、のどから手が出るほど欲しい経済援助にも光が見え始めたと言える。トランプ氏は、経済制裁は維持すると主張するが、中国政府は会談直後に早速、国連の対北朝鮮経済制裁を緩和するべきだとの考えを表明した。ロシアもこれに同調する。北朝鮮の後ろ盾をもって任じる中露両国は制裁が解除された後の北朝鮮での商機を視野に入れる。中国にとっては在韓米軍の縮小は自国に対する米軍の脅威や影響力の減少につながるとの計算も働く。

 北朝鮮との関係改善に先鞭をつけた韓国の政権は2度の南北首脳会談の後、南北関係の改善路線を加速しており、離散家族の再会や軍事的緊張緩和に加え、経済協力に関する協議も開始した。

 実は、トランプ氏が「成果」とする行方不明米兵の遺骨返還は北朝鮮側にもメリットが想定される。北朝鮮は7月27日になり55柱の遺骨を返還したが、依然、北朝鮮には推計5300人超の遺骨が取り残されている。今後、すべての遺骨を回収するには道路などのインフラ整備が必要で、米国の協力が見込まれるからだ。

 米国の専門家の多くは、北朝鮮の方がこの会談から多くを得たと分析する。

 ブルッキングス研究所のジュン・パク上級研究員は「トランプ政権はノーベル平和賞に値する努力だと主張するだろうが、首脳会談から生まれたのは中身のない泡のような声明だけだ。トランプ氏は会談後の記者会見で、金氏を称賛するのではなく、日韓両国との同盟関係へのコミットメントを確認するべきだった」と指摘。マイケル・ヘイデン元中央情報局(CIA)長官はCNNテレビで「北朝鮮は何も新しいことをしていないのに、米国は米韓合同軍事演習の中止に同意した。これは大きな譲歩だ」と肩をすくめた。普段はトランプ政権に甘めの採点をするヘリテージ財団でも、ブルース・クリンガー上級研究員が「大いに失望した。CVID、査察、人権への言及がなかった」とツイッターに投稿した。

上昇した支持率

 ただ、トランプ氏には会見では言及しなかったメリットもある。米朝会談を受けての支持率の上昇だ。

 AP通信などが6月20日に公表した世論調査結果では、トランプ氏の対北朝鮮外交を「支持する」とした人は55%で、昨年10月の34%から21ポイントも上昇した。ギャロップ社調査による週間平均支持率は、首脳会談があった11日の週は45%で、就任1年目にあたった今年1月末時点の36%より9ポイント高かった。

 そもそも、目まぐるしい状況変化の末、史上初の米朝首脳会談が実現したのはトランプ氏の類例のない政治スタイルによるところが大きい。金氏が韓国政府高官を通じ、米朝首脳会談開催を打診してきたのに対し、3月8日に即決でOKを出してホワイトハウスや国務省の側近、提案を持ち込んだ韓国をもあわてさせた。1回目の南北首脳会談をはさみ、米政府は5月10日、米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催すると発表したが、2週間後には北朝鮮が事前交渉で不誠実な対応を見せたとして突然、中止を発表。北朝鮮の動揺と一定の譲歩を誘った上で、8日後になって予定通り会談を行うと、再び方針を180度転換した。

 「博打」ともやゆされた首脳会談実施をトランプ氏が決めた背景には、歴史的会談を通じて米国への脅威を減じ、南北朝鮮の和平達成に寄与することができれば、11月6日に迫った中間選挙に向け、国民にアピールできる外交的成果になるとの計算があっただろう。さらには2020年の大統領選での再選に向け、あわよくばノーベル平和賞という名誉を勝ち取り、弾みをつけたいとの思惑も透けて見える。

 本人は「交渉上手」を自称し、首脳会談に応じるという外交カードを最大限利用したつもりなのだろう。だが実際は、自らの発言に徐々に自縄自縛に陥って首脳会談を開かない選択肢はなくなり、非核化の中身では大幅な譲歩を重ねた末、数少ない成果を自画自賛するしかなかったと言わざるを得まい。

V(検証可能)とI(不可逆的)の意義

 ここでCVIDの持つ意味をおさらいしよう。

 包括的(C)とは、北朝鮮が過去から現在までの核開発計画や、あらゆる核関連施設などを包み隠さず、米国や国際社会に申告すること。検証可能(V)とは、北朝鮮の申告内容やその後の非核化のプロセスについて、国際原子力機関(IAEA)といった国際機関や米国など第三者の客観的な査察と検証を行うこと。不可逆的(I)とは、北朝鮮が保有する核兵器と高濃縮ウランやプルトニウムなどの原料を放棄し、それを製造、貯蔵してきた施設を解体することにより、核の開発や製造を二度と再開できないようにすることだ。

 北朝鮮の場合、過去と現状を包み隠さず明らかにするという非核化プロセスの入り口の段階で、どこまで真剣に核を手放すつもりなのかがかなり明確になるはずだ。

 北朝鮮の核開発は1950年代、旧ソ連の協力を得て始まったが、その実態は秘密のベールに包まれたままだ。例えば、核関連施設としては北朝鮮初の黒鉛減速炉が造られた北西部・寧辺(ヨンビョン)が広く知られるが、米ニューヨーク・タイムズ紙は北朝鮮にはほかにも推計40~100の核関連施設が存在し、関連の建造物だけでも400はあると伝えた。多くは秘匿され、迷路のように入り組んだ地下施設も多数あるとみられている。

 同紙はまた、北朝鮮の保有核弾頭数について、米中央情報局(CIA)は約20個、米国防情報局(DIA)は約60個と推計していると伝えた。米国有数の2情報機関の間で数字に幅が出るのも、それだけ情報が乏しいからだ。

 核という極めて強力な兵器が放棄されたかどうかの確認を自己申告に終わらせず、第三者が現場で検証するのは「いろは」の「い」だ。しかも、北朝鮮には、核兵器の放棄を約束し、見返りを得ながら順守しなかった前歴がある。

裏切りの歴史

 北朝鮮の核問題が危機的レベルに達したのはトランプ政権下の今回で3度目だ。

 第1次核危機はクリントン政権下の1993年に起きた。北朝鮮が核開発を行っている可能性があると見たIAEAが査察受け入れを求めたところ北朝鮮は拒否。一時はクリントン大統領が寧辺の関連施設の空爆準備を指示するところまで緊張は高まったが、94年夏に米朝間で交渉が始まり、「米朝枠組み合意」がまとまった。北朝鮮が兵器級プルトニウムを生産しやすい黒鉛減速炉を稼働停止し、IAEAの査察を受け入れる見返りに、日米韓などが重油や、プルトニウムを製造しにくい軽水炉を提供する内容だった。

 ところがその後、ブッシュ(子)政権は北朝鮮が極秘裏にウラン濃縮型の核開発を進めているとの疑念を強める。2002年10月に訪朝し、この点を問いただしたケリー国務次官補(当時)に対し、北朝鮮はウラン濃縮による核開発を事実上認め、第2次核危機が始まった。

 北朝鮮をイラク、イランと並ぶ「悪の枢軸」と位置づけ、先制攻撃も辞さないとしていたブッシュ大統領だが、アジアでの危機が、アフガニスタンに次ぐ武力紛争に発展することは避けたいのが本音だった。ここで中国が主導したのが日米韓中露と北朝鮮による「6か国協議」で、05年9月には北朝鮮が「すべての核兵器と既存の核計画の放棄」を確約する共同声明がまとまった。

 しかし、北朝鮮はこの多国間の枠組みの合意も履行しようとせず、06年10月には初の核実験を強行するなど、核・ミサイル開発を次第に公然と進めるようになる。

 トランプ政権が発足した17年になると、北朝鮮は6度目となる核実験に加え、米本土を射程に入れることを狙う大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル発射実験にも踏み切り、「核戦力の完成」を宣言した。トランプ政権は、北朝鮮が1~2年のうちに核弾頭搭載ICBMを完成させる可能性があると分析し、これを阻止するための軍事オプションを公言するなど、またしても緊張が高まった。

 18年初頭から北朝鮮が一転して対話攻勢に出たことで緊張は緩和され、今回の合意文書につながった。ただ、北朝鮮が仮に今回も不誠実であった場合、どうやってそのウソを見抜くのか。イラク大量破壊兵器に関する米調査団長だったデービッド・ケイ氏はニューヨーク・タイムズ紙に「北朝鮮の完全な協力がなければ北朝鮮の核計画のを知ることは難しい」と指摘した。

査察のプロは人手不足に

 「前科持ち」の北朝鮮が相手だけに、査察は極めて重要になるが、誰が担うのか。トランプ氏は首脳会談後の記者会見で、この点を聞かれた際、一瞬答えにつまった後、米国と国際機関の「両方を組み合わせる」と答えた。

 IAEAの天野之弥事務局長は米朝首脳会談を受けて「関係国の要請があり、(IAEAの)理事会が承認すれば、検証活動に着手する準備ができている」とする声明を発表し、北朝鮮での査察に意欲を見せた。過去に核兵器を自ら廃棄した南アフリカ、核開発を放棄したリビアでもIAEAは査察を担った実績がある。

 ただ、IAEAの経験をもってしても、北朝鮮の核開発放棄を検証することは人材、資金の両面で一大作業になりそうだ。

 IAEAには現在、約300人の査察官が所属し、世界約200か所の施設が活動対象となっている。このうち約80人は2015年の「イラン核合意」締結を受けて発足した特別チームに組み込まれ、イランがこの合意通りに、核計画の凍結を履行しているかをモニターしている。イランよりも核開発の規模も進展度合いもはるかに大きい北朝鮮に関して、ケイ氏は300人規模の専任チームが必要だと見ているが、現時点でIAEAにこれだけの人員はいない。

 また、IAEAが慣れている査察対象はプルトニウムや高濃縮ウランといった核関連物資で、核兵器そのものではない。核爆弾の解体や移送など、核兵器にからむノウハウが豊富なのは米軍などの軍事専門家だ。そして、北朝鮮に米軍の査察を受け入れさせるのは、IAEAの査察よりもハードルが格段に高いだろう。

 北朝鮮の核開発は南アやリビアが前例にならないほど規模が大きく、関連施設は山中の地下などに複雑に配置、隠匿されているとみられる。これらに査察官が立ち入る経費は、IAEAの現状の予算ではまかないきれないと想定される。安倍首相はすでに国際社会が資金拠出する枠組みを作る可能性に言及しており、日本など関係諸国が拠出する構えだ。

 将来的には、核開発のノウハウを持つ北朝鮮の核関連技術者や科学者をどう処遇するのかという問題もある。さらには北朝鮮に核兵器の運搬手段である弾道ミサイルや、核兵器と並ぶ大量破壊兵器である化学・生物兵器をどうやって廃棄させるのかという問題も手つかずだ。

歴史的合意となるのか

 トランプ氏は、「本来ならば過去の大統領がもっと早くに解決しているべきだった北朝鮮の核問題について、自分が登場したからこそ非核化の確約を得られた」との強い自負心を見せる。確かに、北朝鮮の核問題はトランプ氏の3代前のクリントン政権下で始まり、ブッシュ(子)政権をはさみ、前任のオバマ政権下でも有効な政策をとれない中、北朝鮮の核・ミサイル開発がいたずらに進むのを許した。

 これまでイラン核合意や環太平洋経済連携協定(TPP)、気候変動に関するパリ協定などオバマ政権下でまとめられた国際協定から離脱するばかりだったトランプ氏が、今回は新しい手法で何かを創り上げようと、一応は前向きな外交に取り組んでいるともいえる。トランプ政権下で駐韓大使就任が一時期は取り沙汰されたビクター・チャ氏はニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で「トランプ氏の外交手法は、それがいかに普通ではないにせよ、北朝鮮指導部の孤立に最初の変化をもたらした。これは歴代大統領の誰にもできなかったことだ」と評価。「ほんの5か月前には破滅的な戦争に向かっていた」という状態から「首脳会談で外交プロセスのスタート地点に立った」とした。

 一方で、トランプ氏が中間選挙や次期大統領選を念頭に、確たる見通しを欠いたまま功を焦って前のめりになり、場当たり的な外交を展開しているという批判は絶えない。

 トランプ氏の思惑通り、北朝鮮は非核化に向けて動くのか。あるいは、今後、どのようなテコをもって北朝鮮を動かしていくのか。米政府には、近視眼に走らない、同盟国とも十分に連携した包括的な戦略が求められている。

プロフィル
大内 佐紀( おおうち・さき
 読売新聞調査研究本部主任研究員。1986年入社。主に国際報道に携わり、ワシントン、ジュネーブ、ロンドン各特派員。英字紙ジャパン・ニューズ編集長、編集局次長などを経て2017年6月から現職。

無断転載禁止
34440 0 読売クオータリー 2018/07/30 18:00:00 2018/07/30 18:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180727-OYT8I50020-T.jpg?type=thumbnail

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