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    2017年10大ニュース

    2017年海外の10大ニュース

    集計結果一覧(トップ10)

    【1位】トランプ米大統領が就任

    • 大統領就任式で宣誓するトランプ大統領(1月20日)
      大統領就任式で宣誓するトランプ大統領(1月20日)

     米国の実業家ドナルド・トランプ氏が1月20日、第45代米大統領に就任した。米国の国益を徹底的に追求する「米国第一」を旗印に、オバマ前大統領が進めた国際協調の流れを次々覆し、各国に大きな衝撃を与えた。

     就任直後には環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、10月に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)からの脱退も発表した。12月にはエルサレムをイスラエルの「首都」と認定し、アラブ諸国などの強い反発を招いた。

     核開発や弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮に対しては、軍事・経済的な圧力を強化した。

     内政ではイスラム圏からの入国制限やメキシコとの国境の壁建設を打ち出した。一連のロシア疑惑を巡る特別検察官の捜査や政府高官の相次ぐ辞任で政権運営は混乱し、支持率は低迷している。ただ、自らに批判的な報道に対しては、約4500万人のフォロワー(閲覧者)を誇るツイッターで「フェイク(偽)ニュース」と攻撃し、強気の姿勢を崩していない。来年も、その一挙手一投足に世界の注目が集まるのは間違いなさそうだ。(ワシントン 黒見周平)

    【2位】北朝鮮が6回目の核実験。弾道ミサイル発射も相次ぎ強行

    • 訓練で航空自衛隊襟裳分屯基地に展開された、地対空誘導弾「PAC3」(10月31日)
      訓練で航空自衛隊襟裳分屯基地に展開された、地対空誘導弾「PAC3」(10月31日)

     北朝鮮が核ミサイル能力を大幅に向上させ、9月3日に6回目の核実験を実施した。日本政府は、爆発威力を広島に投下された原爆(TNT火薬換算で15キロ・トン)の10倍超となる過去最大の約160キロ・トンと推定し、「水爆も否定出来ない」と分析した。

     大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」も7月4日に初発射。通常より高い高度で打ちあげているが、計3回のICBM発射で能力を着実に向上させており、通常角度で発射すれば米本土に到達するとみられている。首都ワシントンに届く核ミサイルの完成が近づく中、米トランプ政権は北朝鮮への軍事攻撃も辞さない構えを示し、朝鮮半島情勢の緊張が高まっている。

     国連安全保障理事会は核実験を受け、9月11日に北朝鮮への原油の輸出量に上限を設定するなどの追加制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮は反発し、同15日に北海道上空を通過する中距離弾道ミサイル「火星12」を発射。11月29日には「火星15」を発射し、「核戦力の完成」を主張した。その後も米朝が対話に乗り出す気配は見えておらず、米朝間の緊張が続いている。(ソウル 水野祥)

    【3位】金正男氏、マレーシアの空港で殺害

    • 犯行現場のクアラルンプール国際空港で残留物の有無を検査する警察官ら(2月26日)
      犯行現場のクアラルンプール国際空港で残留物の有無を検査する警察官ら(2月26日)

     北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)朝鮮労働党総書記の長男で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された。遺体から化学兵器に使われる猛毒の神経剤「VX」が検出され、北朝鮮の関与が疑われている。

     マレーシア警察は、正男氏の顔に毒物を塗りつけて殺害したとして、ベトナム、インドネシア国籍の女2人を逮捕。事件直後に国外逃亡した北朝鮮国籍の男4人も事件に関与したとして指名手配したが、身柄拘束に至っていない。

     事件への関与が疑われた駐マレーシア北朝鮮大使館員らも捜査対象となったが、北朝鮮側が捜査への協力を拒否。一方で、駐北朝鮮マレーシア大使館員ら9人が事実上の「人質」となり譲歩を迫られ、マレーシア政府は9人の帰国と引き換えに北朝鮮大使館員らを出国させた。マレーシアと北朝鮮の関係は冷え込んだ。

     女2人は「いたずら動画の出演と思っていた」などと供述。公判では無罪を主張しており、事件の全容解明は困難な見通しだ。(バンコク 大重真弓)

    【4位】ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏

    • ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさん(12月10日、ロイター)
      ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさん(12月10日、ロイター)

     2017年のノーベル文学賞の授賞式が12月10日、ストックホルム市内で行われ、長崎市生まれの英国籍の作家、カズオ・イシグロさん(63)が受賞した。選考したスウェーデン・アカデミーは「感情に強く訴える小説で、世界とつながっているという我々の幻想の下に隠された闇を明るみに出した」と評した。

     イシグロさんは5歳で渡英。1989年に長編小説「日の名残り」で英国の権威あるブッカー賞を受賞し、国際的な評価を高めた。

     12月7日の記念講演では、「分断の危機が高まっている時、私たちは耳を傾ける必要がある。良い作品と、それが正しく読まれることは障壁を打ち崩す」と述べ、文学が分断を乗り越える力になることを訴えた。

     授賞式後の晩さん会では、母親から「ノーベル賞は平和を促す賞」と教えられたエピソードを明かし、故郷・長崎への思いなども語った。

    【5位】韓国・朴大統領の罷免決定

    • 朴槿恵大統領の罷免決定を受け、青瓦台付近でデモ行進する弾劾賛成派の人たち(3月10日)
      朴槿恵大統領の罷免決定を受け、青瓦台付近でデモ行進する弾劾賛成派の人たち(3月10日)

     韓国の憲法裁判所は3月10日、昨年12月に国会で弾劾(だんがい)訴追された朴槿恵(パククネ)大統領の罷免(ひめん)を決定した。韓国大統領の罷免は史上初で、朴氏はただちに失職した。

     弾劾の発端は朴氏の友人、崔順実(チェスンシル)氏の国政介入疑惑だった。検察は3月31日、政府の文化・体育政策や人事に崔氏を関与させ、巨額の利益を与えたとして、収賄や職権乱用などの疑いで朴氏を逮捕し、計18件の罪で起訴した。朴氏は起訴事実を全面否認し、1審の審理が続いている。

     事件に関与したとして朴政権の元高官や韓国最大財閥サムスングループの事実上トップらも逮捕・起訴されるなど政財界を揺るがす大スキャンダルに発展した。

     朴氏の失職に伴い5月9日に投開票された大統領選は、左派の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏が当選し、9年ぶりに左派政権が誕生した。

    【6位】仏大統領にマクロン氏。最年少39歳

    • パリで勝利宣言し、支持者に応えるマクロン氏(5月7日)
      パリで勝利宣言し、支持者に応えるマクロン氏(5月7日)

     5月7日に投開票されたフランス大統領選の決選投票は、欧州連合(EU)の統合推進などを訴えた中道のエマニュエル・マクロン氏が、EUからの離脱などを主張した極右・国民戦線のマリーヌ・ルペン氏を破り当選した。マクロン氏は史上最年少の39歳で就任。英国の離脱決定などEUが揺れる中、マクロン氏はドイツと共にEUの統合深化を主導する考えで、その手腕が注目されている。

    【7位】英政府がEU離脱を正式通知

    • ブリュッセルで、EU首脳会議に臨むメイ英首相(12月14日、AP)
      ブリュッセルで、EU首脳会議に臨むメイ英首相(12月14日、AP)

     英国は3月29日、欧州連合(EU)から離脱することをEUに正式通知した。2019年3月の離脱に向けた交渉は6月に始まり、メイ英首相とEUのユンカー欧州委員長は12月、交渉の「第1段階」として、(1)英国が支払う分担金(2)双方の市民の権利保護(3)北アイルランドの国境管理――の3点について合意した。交渉は自由貿易協定(FTA)など将来の関係を話し合う「第2段階」に入る。

    【8位】米ラスベガスで銃乱射、58人死亡

    • 米ラスベガス近郊で、犠牲者を追悼する市民ら(10月3日)
      米ラスベガス近郊で、犠牲者を追悼する市民ら(10月3日)

     カジノがある歓楽街として知られる米ネバダ州ラスベガスで10月1日夜、男がホテルの32階から野外コンサート会場に向け銃を乱射し、58人が死亡、400人以上が負傷した。犠牲者数は米史上最大規模。銃撃犯は同州在住のスティーブン・パドック容疑者(64歳)で、警察が踏み込む前に自殺したとされる。動機は不明のままだ。大量の銃器を所有していたため、銃規制を巡る議論も活発化した。

    【9位】トランプ氏が「パリ協定」離脱表明

    • パリで、「パリ協定」を支持する環境活動家ら(12月12日、ロイター)
      パリで、「パリ協定」を支持する環境活動家ら(12月12日、ロイター)

     トランプ米大統領は6月1日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱すると表明した。同協定は昨年11月に発効したが、世界2位の温室効果ガス排出国で最大の資金拠出国である米国の離脱は大きな打撃となった。マクロン仏大統領らは米国抜きの連携強化を呼びかけている。協定の詳細なルールは来年決まる予定で、各国が協調し、いかに協定を機能させられるかが今後注目される。

    【10位】メキシコ地震、死者369人

    • メキシコ市の地震で崩れた建物で生存者を捜す日本の援助隊(9月22日)
      メキシコ市の地震で崩れた建物で生存者を捜す日本の援助隊(9月22日)

     メキシコの首都メキシコ市近郊で9月19日、マグニチュード(M)7・1の地震が発生した。同市中心部や近郊の街で建物が倒壊し、多数の人ががれきの下敷きになるなど被害が拡大。救助活動の終了が宣言された10月4日時点で、地震による死者は369人に上った。同国では9月7日にも、メキシコ沖の太平洋でM8・1の地震があり、102人が犠牲となったばかりだった。

    1~30位ニュース一覧


    《1》トランプ米大統領が就任
    10,785(95.0%)
    《2》北朝鮮が6回目の核実験。弾道ミサイル発射も相次ぎ強行
    10,447(92.0%)
    《3》金正男氏、マレーシアの空港で殺害
    9,594(84.5%)
    《4》ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏
    7,335(64.6%)
    《5》韓国・朴大統領の罷免決定
    7,095(62.5%)
    《6》仏大統領にマクロン氏。最年少39歳
    5,945(52.4%)
    《7》英政府がEU離脱を正式通知
    5,602(49.3%)
    《8》米ラスベガスで銃乱射、58人死亡
    5,518(48.6%)
    《9》トランプ氏が「パリ協定」離脱表明
    4,080(35.9%)
    《10》メキシコ地震、死者369人
    4,052(35.7%)
    〈11〉国連で核兵器禁止条約を採択
    4,038(35.6%)
    〈12〉エジプトのモスクで爆弾テロ、死者300人超
    3,569(31.4%)
    〈13〉英コンサート会場でテロ、22人死亡
    3,283(28.9%)
    〈14〉ロヒンギャ迫害問題、難民60万人超に
    3,132(27.6%)
    〈15〉韓国大統領に文在寅氏
    2,940(25.9%)
    〈16〉夏季五輪、2024年パリ、28年ロスに同時決定
    2,407(21.2%)
    〈17〉中国共産党大会、習近平政権2期目に
    2,398(21.1%)
    〈18〉シリアのラッカ完全制圧。「イスラム国」勢力弱体化
    2,215(19.5%)
    〈19〉スペイン・カタルーニャ自治州の住民投票で独立賛成9割
    1,950(17.2%)
    〈20〉世界約100か国でサイバー攻撃被害
    1,855(16.3%)
    〈21〉中国の巨大経済圏構想「一帯一路」会議
    1,483(13.1%)
    〈22〉米がシリア基地に巡航ミサイル発射
    1,457(12.8%)
    〈23〉ロンドンで高層住宅火災、死者71人に
    1,226(10.8%)
    〈24〉中国の民主活動家でノーベル平和賞の劉暁波さん死去
    1,134(10.0%)
    〈25〉ジンバブエで事実上のクーデター。37年「独裁」の大統領辞任
    990(8.7%)
    〈26〉米がユネスコ脱退方針通知
    974(8.6%)
    〈27〉米株価が史上初の2万ドル突破
    946(8.3%)
    〈28〉トルコで銃乱射テロ、39人死亡
    878(7.7%)
    〈29〉中性子星の合体、重力波と光で観測
    777(6.8%)
    〈30〉米が「THAAD」を韓国に配備
    691(6.1%)
    (数字は得票数。カッコ内は有効投票に占める割合。文中と写真の日付は現地時間、肩書と年齢は当時)

    過去5年トップ3

    ■2016年


    1:米大統領選でトランプ氏勝利
    2:英国民投票で「EU離脱」過半数
    3:韓国・朴大統領、友人女性の国政介入疑惑で窮地に

    ■2015年


    1:パリで同時テロ。「イスラム国」の犯行
    2:ネパール大地震、約9000人死亡
    3:米国とキューバが54年ぶり国交回復

    ■2014年


    1:エボラ出血熱でWHOが緊急事態宣言
    2:韓国で旅客船「セウォル号」が沈没
    3:ノーベル平和賞にパキスタンのマララさんら

    ■2013年


    1:猛烈な台風がフィリピン直撃、死者・行方不明者約8000人
    2:英王子の妻キャサリン妃が男児出産
    3:露に隕石(いんせき)落下、1200人以上負傷

    ■2012年


    1:米大統領選でオバマ氏が再選
    2:中国共産党総書記に習近平氏
    3:金正恩氏が朝鮮労働党第1書記に

    全項目的中は8人

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    2017年12月24日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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