2020年海外の10大ニュース
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集計結果一覧(トップ10)
(文中の写真と日付は現地時間。肩書は当時)
【1位】新大統領 バイデン氏

11月3日に行われた米大統領選は、再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領(74)に対し、民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が挑む構図となった。猛威をふるう新型コロナウイルスへの対応や経済の再建策などが主な争点となり、両氏は大接戦を繰り広げた。
感染対策として多くの州が郵送で投票できる条件を緩和したため、歴史的な高投票率を記録した。両氏の得票が僅差だった州では大勢判明に時間がかかり、バイデン氏は7日にようやく勝利宣言を行い、国民に融和を呼びかけた。
トランプ氏は投開票で大規模な不正があったと主張し、敗北の受け入れを拒んだ。再集計の申し立てや法廷闘争を続けたが、勝敗が覆る州はなかった。12月14日に行われた各州の選挙人による投票でバイデン氏は306票を獲得し、トランプ氏の232票を上回り、勝利が確定した。
来年1月20日、バイデン氏は第46代大統領に、カマラ・ハリス上院議員(56)は黒人女性初の副大統領に就任する。だが、トランプ政権の4年間で深まった国民の分断を修復するのは容易ではない。(ワシントン 蒔田一彦)
【2位】WHO パンデミック宣言

中国湖北省武漢市で最初に感染が拡大した新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は3月11日、「パンデミック(感染症の世界的な大流行)」を宣言した。この時点でウイルスは110か国・地域以上に広がり、感染者数は計11万8000人を超え、死者数は約4300人に上った。
宣言後も感染拡大は止まらず、米ジョンズ・ホプキンス大の集計では、12月に入ると累計の感染者数が7000万人を突破し、死者数は160万人を上回った。国別で最も被害の大きい米国では死者数が30万人を超えた。
各国・地域は、経済活動と感染対策の両立という難題に直面している。飲食業や小売業での売り上げ減や、航空業の需要減など経済への影響は大きく、年末年始の休暇でさらなる感染拡大も懸念されている。
12月に入ると、英国や米国で米製薬大手ファイザーと独製薬企業ビオンテックの開発したワクチンの接種が始まった。だが、パンデミックの収束はまだ見通せていない。(ジュネーブ 杉野謙太郎)
【3位】黒人男性死亡 抗議拡大

米ミネソタ州で5月25日、黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46歳)が白人警察官に首をひざで押さえつけられて死亡した。
警察官は免職・起訴されたが、フロイドさんが「息が出来ない」と訴える動画がネットで拡散し、黒人への人種差別として反発する抗議デモが全米各地に飛び火した。「黒人の命は大切だ(ブラック・ライブズ・マター)」を合言葉とする訴えは、さらに世界へと広がった。
米国では一部が暴徒化したため、夜間外出禁止令が各地で発令されるなど情勢は一時緊迫化した。トランプ大統領はデモ参加者を「悪党」と呼び、治安維持のため軍出動までちらつかせ、国民の分断をあおった。
ウィスコンシン州では8月23日、黒人男性が白人警察官に銃撃されて重体となり、抗議デモが再燃した。米国の人種差別の根深さと黒人の不満の強さを示した。
人種差別への抗議の声はスポーツ界からも上がった。テニスの大坂なおみ選手が2年ぶりに優勝した全米オープンで、警官の暴力などで亡くなった黒人の名前が書かれたマスクをして会場入りしたことも話題になった。(ニューヨーク 寺口亮一)
【4位】英国がEU離脱

英国は1月31日、欧州連合(EU)から離脱し、統合を進めてきた欧州は歴史的な転機を迎えた。EUからの加盟国離脱は初めてで、加盟国は27か国に減った。英国のジョンソン首相は離脱にあたり、「変革を実現するため、取り返した主権という新たな力を行使する」と強調した。
英国の離脱を後押ししたのは、流入を続ける移民の脅威や、超国家的な存在であるEUが自国の主権を制限しているとの不満だった。一方、離脱賛成が過半数を占めた2016年の国民投票以降、国内は混乱し、離脱派と残留派の間に埋めがたい溝も残った。
年末までは、これまで通り移動が制限されず、関税もかからない移行期間とされた。英国とEUは自由貿易協定(FTA)の締結など将来関係を巡る交渉を続けたが、12月に入っても対立点が残り、合意形成は難航を極めた。
【5位】香港「国安法」施行

中国の全国人民代表大会常務委員会は6月30日、香港での反体制活動を取り締まる国家安全維持法(国安法)を可決し、法律が施行された。昨年に香港で大規模化した抗議運動の封じ込めや民主派への締め付けが狙いで、「一国二制度」の下での香港の「高度な自治」は形骸化が決定的となった。
国安法では「国家の分裂」「外国勢力などと結託して国家の安全を脅かす」など4種の行為を禁じている。法施行後、香港紙「蘋果日報(アップル・デイリー)」創業者
11月には香港立法会(議会)の民主派議員4人の資格が
【6位】トランプ氏が感染
米国のトランプ大統領は10月2日、新型コロナウイルスに感染したと発表した。ホワイトハウス内では、マスク着用や社会的距離の確保などのルールが無視され、側近らの感染が相次いだ。トランプ氏は一時健康状態が悪化して軍の医療施設に入院したが、わずか3日で退院し、11月の大統領選に向けて劇的な復活を演出した。その後もツイッターなどでウイルスの脅威を軽んじるような言動を続けた。
【7位】米、WHO脱退

米国のトランプ大統領は5月29日、新型コロナウイルスに対する世界保健機関(WHO)の対応が中国寄りだとして、脱退の意向を表明した。ホワイトハウスで行った演説で、「我々が要請した改革を実施しなかったため、我々は今日をもってWHOとの関係を断ち切る」と述べた。7月には1年後の脱退を正式に通知したが、バイデン次期大統領は撤回の意向を打ち出している。
【8位】ヘンリー英王子 公務引退
英国のヘンリー王子(36)と妻のメーガン妃(39)が3月31日、王室の中心メンバーから外れ、公務を引退した。王室から経済的に独立するとともに、「殿下」「妃殿下」の敬称を失った。英メディアでは、メーガン妃が規制の厳しい王室の生活になじめなかったことや、大衆紙からの批判を避けようとしたことが理由として報じられた。夫妻は引退後、長男アーチーちゃん(1)と米国で暮らしている。
【9位】マラドーナさん死去

サッカー界の伝説的選手、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ氏が11月25日、首都ブエノスアイレス郊外の自宅で死去した。60歳だった。1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会で母国を優勝に導いた英雄の死を受け、アルゼンチンは3日間の服喪に入り、大統領官邸には数十万人の市民が弔問に集まった。同氏がかつてプレーしたイタリアのナポリなど世界中でファンが追悼した。
【10位】核兵器禁止条約 発効へ
核兵器の開発や保有、使用などを包括的に禁止する核兵器禁止条約の批准国・地域が10月24日、発効に必要な50に達した。来年1月22日に発効する。核拡散防止条約で核保有が認められている米英仏露中5か国や、日本を含む米国の同盟国は、北朝鮮などの核の脅威がある現状での核廃絶は非現実的だなどとして、核兵器禁止条約に参加しなかった。
1~30位ニュース
(数字は得票数。カッコ内は有効投票に占める割合)
《1》米大統領選、バイデン氏が当選確実 11,393(93.7%)
《2》WHO、新型コロナウイルスのパンデミック表明 10,966(90.2%)
《3》米国で警官に拘束された黒人男性が死亡、抗議デモ世界に 10,136(83.4%)
《4》英国がEUを離脱 9,723(80.0%)
《5》香港の国家安全維持法が施行 7,063(58.1%)
《6》米トランプ大統領、新型コロナに感染 6,299(51.8%)
《7》米トランプ大統領、WHO脱退を表明 5,728(47.1%)
《8》英ヘンリー王子夫妻、公務引退 5,235(43.1%)
《9》アルゼンチンのマラドーナ氏が死去 4,554(37.5%)
《10》核兵器禁止条約の発効決定 2,962(24.4%)
《11》モーリシャス沖で貨物船座礁、重油流出 2,849(23.4%)
《12》レバノンの港で大規模爆発 2,771(22.8%)
《13》英ジョンソン首相、新型コロナで入院 2,755(22.7%)
《14》北朝鮮、南北共同連絡事務所を爆破 2,747(22.6%)
《15》米民主党の副大統領候補にハリス氏 2,121(17.4%)
《16》米国で民間初の有人宇宙船打ち上げ 2,067(17.0%)
《17》ノーベル平和賞に国連の世界食糧計画 2.045(16.8%)
《18》NY株、史上初の3万ドル台 2,004(16.5%)
《19》イスラエルがUAE、バーレーンと国交樹立合意 1,899(15.6%)
《20》韓国、「元徴用工」訴訟で資産差し押さえ手続き 1,884(15.5%)
《21》南シナ海巡り米中対立が激化 1,826(15.0%)
《22》タイ、反政府集会に1万人 1,530(12.6%)
《23》NY株、過去最大2997ドル安 1,524(12.5%)
《24》パキスタンで旅客機墜落、乗員乗客のうち97人死亡 1,356(11.2%)
《25》英、5Gで中国のファーウェイを排除 1,296(10.7%)
《26》米トランプ大統領、
《27》中国が初のマイナス成長、1~3月期 1,173( 9.6%)
《28》露が憲法改正、プーチン氏5選可能に 1,168( 9.6%)
《29》台湾の李登輝・元総統死去 1.083( 8.9%)
《30》米軍、イラン革命防衛隊司令官を殺害 1,068( 8.8%)
過去5年トップ3
■2019年
《1》香港で学生らが大規模デモ
《2》ノートルダム大聖堂で大火災
《3》16歳グレタさん、国連で演説
■2018年
《1》タイの洞窟で少年ら13人全員救出
《2》史上初の米朝首脳会談、緊張緩和進む
《3》インドネシア地震・津波、死者2000人以上
■2017年
《1》トランプ米大統領が就任
《2》北朝鮮が6回目の核実験。弾道ミサイル発射も相次ぎ強行
《3》金正男氏、マレーシアの空港で殺害
■2016年
《1》米大統領選でトランプ氏勝利
《2》英国民投票で「EU離脱」過半数
《3》韓国・朴大統領、友人女性の国政介入疑惑で窮地に
■2015年
《1》パリで同時テロ。「イスラム国」の犯行
《2》ネパールで大地震、約9000人死亡
《3》米国とキューバが54年ぶり国交回復
全て的中8通
2020年の「海外10大ニュース」には11月28日~12月15日の募集期間に1万2453通の応募があり、うち有効は1万2157通でした。全項目的中は8通で、同じ応募者による重複を除く6人に賞金(高校生以下は図書カード)を贈ります。また、9項目的中者の中から抽選した100人に記念品を贈ります。