ウザくてもOK?新人が“ちょっかい上司”を望むワケ

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1人では不安なんです

(画像はイメージ)
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 しかし、昨年の今頃はまだ、こんな現象はほとんど見当たらず、注目されてもいませんでした。それが1年たった今、にわかに求められる「ちょっかい上司」の背景には何があるのでしょうか。今春、入社するフレッシャーズがどんな時代を生きてきたのか、ざっくり振り返ってみました。

 4年制大学を卒業する新入社員に限ると、大半が1995年生まれです。この年は、さまざまな意味で大きな時代の変わり目でした。

 阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件が起こった年です。「ウインドウズ95」が発売され、インターネットによる世界規模の情報革命が始まりました。

 言い換えれば、生まれた時から「1人では不安」と実感しながら育った世代といえるでしょう。

自分ではもうどうしようもない

 だからこそ、これまでの新人が「ウザい」と上目遣いに見ていた上司に、「何しているの?」と声をかけてくれる優しさを求めているのかもしれません。ウッチャンと水トアナなら、「大丈夫、一緒にがんばろう」と言ってくれそうです。原監督なら、併走しながら、常にエールを送ってくれるような気がします。ローラさんは、「えー困ってるの? じゃあ、手伝おっか」と軽やかに手を貸してくれるでしょう。

 改めて考えてみれば、これまで「ちょっと理解不能」とされた若者たちは、幼少期や多感な育ちざかりの時期に、大震災やテロ、インターネットなど未曽有の変化を体験したのですから、常に不安や迷いを抱えていたのかもしれません。それが年長者と距離を置く行動になったり、理解不能なコミュニケーションをしたりする要因だったとも考えられます。

 しかし、今春入社する新入社員は、こうした大きな変化が起こってから物心がついた世代。人とのつながりが命を守ることを本能的に知っているのかもしれません。

今こそ昭和上司の出番かも

 そう、今春のフレッシャーズたちは、これまでの新人とは根本的に異なるのです。年長者と距離を置いていたら、大自然の巨大な力や予測不可能なテロに太刀打ちできませんから。

 ただ、インターネットとともに育ったことで、ネット上のコミュニケーションには()けていても、リアルなお付き合いは苦手のようです。だから、自分からは声をかけられない分、上司から声をかけてほしい。つまり“ちょっかいを出してくれる上司”が理想というワケです。

 ここは、“人情の昭和”を生きた中高年の出番です。

 少子高齢化が進む中、今、多くの企業が次世代を担う若手の育成を急務と考えています。そして、せっかく入社してくれた新入社員たちには長く会社にとどまってほしいと願っています。

 まずは、これまでの「若者は理解不能」という先入観を捨てて、新入社員たちへ軽やかに声をかけてみましょう。思いのほか慕われて、久しぶりに「若い子ってかわいい」なんて思えるかもしれませんよ。

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プロフィル
殿村 美樹(とのむら・みき)
 PRプロデューサー。京都府宇治市出身。TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)、「うどん県」(香川県)など地方のPR戦略を手がけてきた。「今年の漢字」もプロデュース。主な著書は「テレビが飛びつくPR」(ダイヤモンド社)、「ブームをつくる」(集英社新書)など。

「ブームをつくる」(集英社新書)
「ブームをつくる」(集英社新書)

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