普通の主婦だった私がギャンブル依存症になったワケ

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依存症者に巻き込まれない

(画像はイメージ)
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 ギャンブル依存に関連する自助グループで代表的なものを挙げると、ギャンブラー当事者が集まる「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」、そして、ギャンブラーの家族・友人が集まる「ギャマノン(GAM―ANON)」というグループがあります。

 ギャンブラーの回復ルートで典型的な例は、まず家族がギャマノンに繋がります。そこは、決してギャンブラーによって、虐げられ、搾取され、惨めに泣いている人たちの集まりではありません。依存症という病気の対処法を学ぶことはもちろんですが、家族がギャンブル依存者に巻き込まれず、心安らかに、そして、自分らしく生きる術を学ぶ場です。

 苦しむ当事者に借金などの手助けをせず、愛を持って見守ることは、家族にとってはつらい選択です。自殺や犯罪に走るのでは、という心配や不安が常につきまといます。

 家族もまた、同じ経験をした仲間に支えられ、苦しみを乗り越えた体験談に勇気づけられます。そして、むやみやたらと誤った手助けをしてしまう衝動を抑えることができるのです。

体験者のサポートが必要

 家族が肩代わりをやめると、当事者はお金を工面することができなくなり、家族以外の助けを借りて人生を立て直すしかなくなります。

 ある意味、「家族に見放された」と感じられるかもしれませんが、そのくらいでちょうど良いのです。そこから、同じ経験をしたGAメンバーの支えが役立つのです。

 ギャンブラーは、「ギャンブルへの強迫観念」という症状のほかにも、多くの問題を抱えています。多重債務、家庭不和、友人知人への借金……、もしかしたら仕事も続けられない状態になっているかもしれません。こうした難問をたった一人で解決しようとしても、うまくいきません。

 罪悪感や後悔から、病気の回復よりも借金返済を焦り、症状が再発してしまう場合も多々あります。だから、依存者が抱える焦りや罪悪感、そして後悔といった複雑な感情をすべて理解している経験者のサポートが不可欠なのです。

 日本では、自助グループの効用がまだあまり知られていません。慢性疾患である依存症者にとっては、人生の命綱として長く利用できる社会のリソース(資源)です。もし、ギャンブル依存症で苦しんでいる当事者や家族がいたら、自助グループのことを伝えていただきたいと思います。

 ギャンブル依存症は、当事者のみならず周囲の人も不幸にする、竜巻のような病気です。しかし、正しい知識を持ち、サポートに早期に繋がれれば、回復可能な病気でもあります。

 もしも、あなたやあなたの大切な人が依存症に苦しんでいたとしたら、思い込みによる孤独な闘いをやめて、誰かの助けの手をつかんでほしいと思います。

 「依存症から、どうやって回復するのですか?」

 人に聞かれた時、私はこんなふうに答えます。「新たな絆を作ることから回復が始まるのです」

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プロフィル
田中 紀子( たなか・のりこ
  一般社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 の代表理事。1964年、東京生まれ。著書に「三代目ギャン妻の物語」(高文研)、「ギャンブル依存症」(角川新書)がある。
『ギャンブル依存症』(角川新書)
『ギャンブル依存症』(角川新書)


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