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人口減少や過疎化の影響で、経営の苦しさを訴えるお寺が増えている。「本堂を修繕するので費用負担をお願いしたい」「廃寺にしたいので解体工事費を出してもらえないだろうか」といったように、檀家 が思わぬ申し入れを受けるケースもある。今、お寺の経営は、なぜそんなに苦しいのか。檀家はどう対応するべきか。現役の住職で、著書でお寺の経営について問題提起している水月昭道 氏に解説してもらった。
急速に悪化する寺院経営

地方を中心に人口の減少や過疎化が進み、寺院経営は急速に悪化しつつある。
筆者の所属する宗派は「浄土真宗本願寺派(西本願寺派)」だが、年に数回発行される宗派の機関誌では毎回のように「○○寺は解散することになりました」という報告が見られる。
地方の寺院関係者にとって、お寺から住職がいなくなり「廃寺(宗教法人解散)」になるという事象は、もはや珍しいものでなくなっている。そうした背景から今後、寺院の大合併時代が到来するとの予測もある。
しかしそれに薄々気付いていながらも、厳しい現実を直視できる関係者は決して多くない。自分や先達が守ってきたお寺がなくなってしまう衝撃。それを正面から受け止める勇気が、どうしても持てないからだ。
お寺を実質的に支える門徒(檀家)さんたちは実はそんな渦中にいるわけだが、今の状況を正確に理解している人はほぼ皆無だろう。なぜなら、お寺の“懐事情”は、一般的なイメージとはかなりのギャップがあるからだ。
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