地方自治体の「おもしろ動画」がもはや笑えないワケ
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過激に走る地方の事情

もちろん、地方自治体が一生懸命作ったこのような動画を否定するつもりはありません。ユニークで過激であればあるほど、SNSでシェアされ、テレビでも取り上げられ、そして、「話題の動画」と注目され、びっくりするほど多くの人が“動画を見に来てくれる”のですから。
そればかりか、動画の再生回数はネット上に残ります。数字が大好きな行政関係者は「こんなに注目を集めたよ。すごいでしょ!」と胸を張ることができるでしょう。
ただ、ネットやテレビで話題になるのは、ほんの一瞬です。
特にネットの世界は、移り変わりが早すぎて、翌日には話題にも上らないことが珍しくありません。
動画は「ありのまま」!

その土地の魅力をPRしようとして作った動画は、その地域の「ありのままの姿」として見られる可能性があると考えるべきでしょう。
海外へ旅行をしようと計画するとき、旅行会社のパンフレットやガイドブックだけでなく、最近ではどんなところかを知るために動画を検索します。のんびりと過ごせそうなビーチリゾート、悠久の歴史をしのばせる世界遺産の街並み、めったにお目にかかれない神秘的なオーロラ……。
日本を訪れる外国人観光客も、日本各地のPR動画を見ています。しかも、自治体が公式サイトで公開している動画は、信頼感をもって見られているに違いありません。
ということは、佐渡島はヘビメタの“聖地”と映り、関門海峡には怪獣が出現するような驚きがあり、宇治市はデジタルゲームのような町という印象を持たれるかもしれません。
地方自治体の担当者は、こうした素材はあくまで話題づくりのための「仕掛け」であって、「本当はバックグラウンドとなっている、自然の風景や素晴らしい歴史や文化を知ってもらいたい」と言うかもしれません。
だとしたら、それは大きな間違いです。そんな日本人的な「
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