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地方自治体の「おもしろ動画」がもはや笑えないワケ

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特産品と有名人を活用

釜玉うどん
釜玉うどん

 そもそも、地方PR動画は、2011年に香川県が「うどん県動画」を制作し、注目を集めたことから全国に広がります。きっかけは、「うどん県」という自虐的なネーミングがネットで話題になったことでした。地元出身の俳優、要潤(かなめじゅん)さんが、うどん県の副知事に就任し、地域の魅力をPRするという“意外性”で大きな反響を呼びました。

 全国の地方自治体は、常に他の地域の動向にアンテナを張っています。成功事例があれば、いち早くキャッチして研究分析を行い、自分の地域で生かせる「手法」を導入します。これが、「事例主義」といわれるものです。「横並び主義」と言う人もいます。

 「うどん県」の成功は、他の自治体の“手本”となりました。特産を県名にするアイデアは、「蟹取(かにとり)県」、(鳥取県)「おんせん県」(大分県)などが続きました。そして、地元ゆかりの有名人を観光大使などの特別職に任命するという手法も、有吉弘行さん(広島県)、篠原涼子さん(群馬県桐生市)、鈴木奈々さん(茨城県)など多く見られるようになりました。

芸能人に頼らないPR

「ゆけ、シンフロ部」(画像をクリックすると動画へ)
「ゆけ、シンフロ部」(画像をクリックすると動画へ)

 15年になると、地方PRに新たな動きが出てきました。芸能人に頼らず、アイデア勝負のユニークな演出でPR動画を制作するようになったのです。

 この傾向に火をつけたのは、フランス人が登場し、フランス語に聞こえるお国言葉で地元を紹介したPR動画「ンダモシタン小林」(宮崎県小林市)や、水着姿の女性たちが温泉でシンクロナイズドスイミングをする「ゆけ、シンフロ部!」(大分県)などでした。

 大分県の「シンフロ」は、大変ユニークだと評判になり、テレビの情報番組やワイドショーに何度も取り上げられました。テレビで紹介されると、ネット動画の再生回数は急激にアップします。数字に敏感な地方自治体は、「テレビに取り上げられて、再生回数がアップする」という仕組みがとても気に入ったようです。たちまち、テレビ好みのユニークで斬新な動画の制作があちこちで始まりました。

 16年の春に発表されたのが、「武将と~言えば三成~♪」の軽快な音楽で話題になった動画「石田三成CM」(滋賀県)。刃物の生産地をPRする動画「もしものハナシ」(岐阜県関市)は、包丁やかみそりなどのない生活をパロディーで紹介。一心不乱に野菜をチョップで切ろうとする主婦、ガムテープでひげを抜く男性、客の髪をかみちぎる美容師など、鬼気迫る映像が続きます。

 いずれも、狙い通り「話題の動画」として注目を集め、再生回数をぐんぐん伸ばしていきました。

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