地方自治体の「おもしろ動画」がもはや笑えないワケ
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オンリーワンの魅力を探す

「地域ブランド」を作る上で最も大切なのは、未来へ向けて地域ストーリーを紡ぐ演出だと私は思っています。地域ブランドは「過去」ではなく、「未来」に向けて作るものなのです。
PR動画も、そのストーリーをしっかり紹介するPRツールとして使う必要があるのです。
こんなことを言うと、「そんな地味なことをやっても、目立たないから困っているのがわからないのか!」と怒る首長もいそうです。
ここで「地域ブランドを作る極意」をご紹介しましょう。
ひと言でいうと、まず、その地域だけにある「オンリーワン」の魅力を発掘して世界にアピールすればいいのです。「オンリーワンの魅力」はビジネスにもなるので、多くの人々が関心を持ち、ムーブメントを生み、おのずと地域が活性化していくからです。
「オンリーワンの魅力? そんなものがあったら苦労しないよ!」
地域の方々のこんな反論が聞こえてきそうです。事例を挙げながら、どの地域にもオンリーワンの魅力があって、世界にアピールできる地域ブランドが構築できることをご説明しましょう。
駿河湾にあったオンリーワン
まず、「世界オンリーワン」が眠っていたケースをご紹介しましょう。
私が地域の魅力をアピールしてほしいと依頼を受けたのは、静岡市でした。温暖な気候で
地元ではやはり「富士山とお茶」をベースに、生産量の多い「いちご」「みかん」などをプラスする意見が多かったのですが、そのいずれも「オンリーワン」ではありません。富士山も静岡市だけのものではなく、むしろ日本の象徴といったイメージが強くあります。
そこで、私は駿河湾特産の「桜えび」に光を当てることを提案しました。桜えびは世界でも台湾と静岡だけで水揚げされ、生で食べられるのは静岡だけだからです。
これぞ、「世界オンリーワン」の資源です。しかし、地元で「桜えび」の評価は惨たんたるものでした。
「伊勢えびに
「小さすぎる雑魚」
「収穫量が少ない」
聞こえてくるのは批判ばかり。地元の市場でも注目されず、店頭にあっても冷蔵庫の底に凍り付いているような状況でした。
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