実は、潔癖性が「キレイ好き」じゃすまない危険

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治療には課題も多い

同じ鍋をつつくはイヤという人も(画像はイメージ)
同じ鍋をつつくはイヤという人も(画像はイメージ)

 治療には、大きく分けて、投薬とカウンセリングがあります。

 うつ病やパニック症と違って症状に波がないので、強迫症の診断そのものは比較的簡単です。

 ストレスが原因である場合もありますが、ストレスがなくなったからといって、手洗いの回数やトイレットペーパーの量が減るわけではありません。

 ただし、強迫症以外の他の病気を同時に合併している場合もあります。思い当たる点がある人は一度、精神科を受診して、専門家のアドバイスを受けた方がよいでしょう。しかし、その後の治療には現時点ではいくつかの問題があります。

 

【薬】

 大半の精神科医は、ベンゾジアゼピン系薬物に分類される抗不安薬を処方するでしょう。

 副作用が少なく、飲んだ当日から効果が期待できるからです。しかし、この薬は強迫観念を減らすわけではありません。

 Aさんの場合で言えば、薬を飲んでも一時的にリラックスできるだけで、ウイルス感染のことが頭に浮かぶのはまったく変わりません。

 強迫観念を減らすのに役立つのは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors、SSRI)という抗うつ薬です。しかし、この薬は最初に吐き気などの胃腸の副作用が現れる問題があります。通常2~3日で治まりますが、この間は我慢が必要です。

 強迫観念が減るのは、最短でも2~3週間たってからです。また、薬を飲むだけでは手洗いの回数は減りません。トイレットペーパーの長さも変わりません。

 

【カウンセリング】

 治療法としてよく行われるカウンセリングは、「内省志向療法」と「クライエント中心療法」の二つに分けることができます。

 前者(内省志向療法)は、原因を探っていく方法です。なぜ、潔癖性になったか。なぜある時から、それが過剰になり、生活に支障が生じるようになったのか。これを患者と治療者が一緒に行います。

 後者(クライエント中心療法)は、患者の不安を和らげ、気持ちを楽にさせることを目指します。治療者は、患者自身が自分で不安を解決しようとする努力を支えます。

症状を悪化させる可能性も

 予想外かもしれませんが、この二つのカウンセリングは強迫症をかえって悪化させてしまう懸念もあります。

 手を洗う原因について、何か月も探り続けるとどうなるでしょうか?

 原因は単純に言えば、「不潔」なものです。毎日の生活の中で汚いもの探しを、何か月も続けていれば、手をもっと洗いたくなるのが普通です。

 一方、不安を和らげ、気持ちを楽にすることを毎日、目指したらどうなるでしょう?

 手洗いを短い時間で終える工夫、より効率的な除菌方法、汚れの原因を避ける手段を考えるようになるでしょう。

 そうすると、「不安のない場所」を求めることになります。

 まるで手術室のような無菌室を自宅に作ることを目指すわけです。もちろん、それで楽になるかもしれませんが、普通の社会生活は成り立ちません。

 では、症状を改善させる方法はないのでしょうか?

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431568 0 深読み 2017/04/13 10:10:00 2017/04/13 10:10:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170412-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

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