復調?白物家電 消費者の心をとらえたシロモノ

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「万能主義」から「一点豪華主義」へ

 このように、高級家電の売れ行きを見ていると、消費性向の変化を感じ取ることができる。国内の大手家電メーカーは、高度経済成長期からバブル崩壊の頃まで、「高機能・多機能化」、「軽薄短小化」を進めつつも、悪く言うと「右へならえ」を続けてきたと、筆者は捉えている。

 高機能化・多機能化というのは、多くの消費者が望む製品の進化の方向性だろう。また、同じ性能なら、「より軽く、薄く、短く、小さく」という考え方も決して間違いではない。しかし、他社が先んじた機能や特徴を、自社製品に安易に取り込んでしまうことで、製品の「没個性化」が進んでしまった。

ダイソンのコードレススティック掃除機「V8」(価格:7万6800~9万6800円=税別)
ダイソンのコードレススティック掃除機「V8」(価格:7万6800~9万6800円=税別)

 各社が「大画面」「薄型」「防水」といった様々な特徴を取り込んだ末に、大きな差異化ポイントは「カメラ性能」くらいしかなくなった現在のスマートフォンにも似ている。消費者が決して少なくない金額を支払うにしては、「ワクワク感」のある製品が少なくなってしまったともいえるだろう。

 近年、こうした状況に風穴を開けたのが、海外メーカーや国内の新興メーカーだ。例えば、1990年代後半に日本に本格進出した英ダイソンの掃除機は、国内メーカーの製品に比べてヘッド(ゴミを吸い取る部分)の取り回しがしやすいわけでもなければ、ゴミセンサーなど気の利いた機能が付いているわけでもなかった。そのうえ高額であるにもかかわらず、大ヒットを飛ばしたのは、目を引くデザイン性に加え、「吸引力が落ちない」ことを強調したマーケティングの妙が相まったためだ。

 国内メーカーが、細かい使い勝手の一つ一つを徹底的に追求し続けてきたのに対して、ダイソンの製品は、機内にたまったゴミを取り出しにくいなどのお粗末な部分も多かった。それでも売れた。つまり、決して「万能」とはいえないものの、「ゴミを吸う」という掃除機のメイン機能だけは高性能であり、かつ「デザイン性が高い」ことで消費者の支持を得たのだ。ダイソンの掃除機は、家電製品が「万能主義」から「一点豪華主義」にシフトした先駆けだったと、筆者は考えている。

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431525 0 深読み 2017/04/15 09:00:00 2017/04/15 09:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170414-OYT8I50056-T.jpg?type=thumbnail

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