復調?白物家電 消費者の心をとらえたシロモノ

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「足す技術」より「引く技術」

 家電の「まとめ買い」を希望する顧客をサポートする「コンシェルジュ」を長年担当している量販店の副店長はこの春、新生活のために家電をまとめ買いする客を見ていて、「製品の選び方が変化してきた」と感じたという。「以前は買いたい製品に予算をまんべんなく配分する人が多かったのですが、最近は『テレビにこだわる』とか『掃除機だけは良いものを』といったように、自分がこだわりたい製品の予算をまず押さえて、残ったお金を他の製品に配分する人が増えてきました」と、この副店長は語る。

バルミューダの扇風機「ザ・グリーンファン」(価格:3万6000円=税別)
バルミューダの扇風機「ザ・グリーンファン」(価格:3万6000円=税別)

 例えば、自炊を重視する人であれば、冷蔵庫や炊飯器などのキッチン家電は値が張っても良いものをそろえておきたい。でも、それ以外の洗濯機などは一番安いモデルで十分。そんな具合だ。メーカーだけでなく、消費者の志向も「一点豪華主義」が増えつつあるようだ。

 バルミューダ「ザ・トースター」の登場でオーブントースターという製品が見直されているように、今後も人々のライフスタイルを変えるような画期的な製品が登場し、新たな高級家電カテゴリーが生まれる可能性は十分にある。コアとなる機能が高性能で、「部屋に置きたい」と思わせるようなデザインや質感があれば、その道は開けるはずだ。

 メーカーにとって必要なのは、これまで培ってきた多機能化、つまり「足す技術」ではなく、いかに機能をそぎ落としてコンセプトを明確化するか。つまり「引く技術」である。何に絞り込んで「一点豪華」にしていくのか。「他の家電は安物で構わないから、これだけは高くても欲しい」と思わせるような製品作りこそが、家電メーカーにますます求められるだろう。

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プロフィル
安蔵 靖志(あんぞう・やすし)
 IT・家電ジャーナリスト。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演中。

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使い方
431525 0 深読み 2017/04/15 09:00:00 2017/04/15 09:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170414-OYT8I50056-T.jpg?type=thumbnail

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