ビール会社にも「おいしい」…ノンアル激戦の裏側

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「一番麦汁」で巻き返し図る…キリン

 キリンのビールテイスト飲料の1~3月の販売数量は34万箱で、前年同期比15.1%減と苦しい数字となった。しかし、4月11日に新商品「零ICHI」を発売したところ、3日間で25万箱近くを売り上げ、1月から4月13日までの累計販売は約59万箱に急伸した。これにより、同日までの前年比は26.1%増と一気に拡大傾向となった。

 零ICHIは、同社の主力ビール「一番搾り」と同様に、麦汁ろ過工程で最初に得られた一番搾り麦汁(一番麦汁)だけを使用するのが特徴だ。「香料などを使わずに、よりビールに近い味わいを目指した」(キリン)という。

 ビールの製造工程の最初に当たる仕込み工程では、まず、麦芽を粉砕してお湯に浸す。すると、麦芽中の酵素の働きにより、麦芽に含まれるでんぷんは糖に変わる。この甘い糖化液をろ過して得られるのが、澄んだ麦汁だ。

 日本の大手ビールメーカーにおけるノンアル分野の「パイオニア」でありながら、現在はシェア3位の11%に甘んじているキリンは、今年はまず、シェア17%の確保を目指している。そして、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年には、30%まで伸ばす戦略だ。そのための突破口と期待するのが「零ICHI」であり、今年の年末までに約140万箱の販売を目標としている。

 ノンアルの分野で、キリンがアサヒとサントリーの後塵を拝することになった大きな理由は、個人消費者への販売につながるスーパーなど量販店への営業で後れをとったことだ。キリンはこれまで、瓶など業務用の比率が大きかった。16年で比較すると、業務用の比率はキリンが41%を占めるのに対し、アサヒは17%に過ぎなかった。

 今後のノンアルコールビール市場について、キリンは「17年は4.5%増の1850万箱を見込んでいる。健康志向の高まりから、アルコール類のライト化やノンアルコール代替が進んでおり、中長期的に市場は拡大すると思う」としている。

コラーゲン入りも、女性客に強み…サントリー

 シェア2位のサントリーは、1~3月の販売量が前年同期比2%減の119万箱。主力の「オールフリー」を1月にリニューアルし、4月から本格的な販促活動を開始しており、「4月以降はキャッチアップできる」(サントリー)と意気込んでいる。

 オールフリーは、ノンアルに加え、「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」なのが特徴だ。1月のリニューアルでは、麦芽100%の一番麦汁とアロマホップを使用。さらに天然水仕込みにより、「ビールらしい味わいを実現した」としている。「オールフリー コラーゲン」(350ミリ・リットル当たり2000ミリ・グラムのコラーゲンが入っている)も、16年12月にリニューアルした。

 サントリーは自社のノンアル製品について、「女性ユーザーが半分を占めるのが特徴。昼飲(ひるのみ)など新たな飲用シーンの提案により、市場拡大を目指す」と話し、17年の市場全体については「2%程度、成長するだろう」と予測している。

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