ビール会社にも「おいしい」…ノンアル激戦の裏側

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トクホなど「二本柱」で市場開拓…サッポロ

 サッポロビールは、今年1~3月の販売量を明らかにしていない。16年のシェアは約5%と、上位3社には水を開けられた印象だ。

主力商品としては、ビールと同じ仕込み製法を採用し、麦芽100%の麦汁を使用した「サッポロプレミアムアルコールフリー」と、15年5月にノンアルコール飲料として初めてトクホ(特定保健用食品)認定を受けた「SAPPORO+(サッポロプラス)」の2つがある。

「この二本柱で市場開拓を進めていく。(4月18日には)増量缶を発売し、トライアルユーザーも取り込みたい」(サッポロ)と話している。

「ビールらしさ」か、「スッキリ感」か

 各社の主力商品を比較すると、サントリーとキリン、サッポロが麦汁を使用して「ビールらしさ」を追求しているのに対し、シェア首位のアサヒは麦芽を使わず、調合技術によって「クリアーな味わい」を追求している点が大きく異なる。

「甘さ」を含んだ味わいを重視するか、それともスッキリした爽快感で勝負するか。今後、どちらの「味」に対する思想がより多くの消費者の心をつかむのか、注目される。

 ちなみに、ビールには酵母の働きを活性化させ、発酵度を高めたドライビールと、麦芽100%のビールがあり、第三のビールには麦芽を使う麦系(クリアアサヒ、金麦など)と、使わない豆系(のどごし、ドラフトワンなど)がある。私は、ノンアルコールビールはそれら以上に多様化していく可能性があると見ている。アルコールが苦手な人など、より幅広い層に受け入れられる余地のある清涼飲料だからだ。

 ノンアルビールという新ジャンルの開拓は、「ビール離れ」した顧客をつなぎ止めるだけでなく、これまでアルコール類にまったく縁がなかった新規顧客を獲得することにもつながる。競争激化で、香料技術や仕込み工程における糖質ゼロといった健康面にアピールできる技術が磨かれ、それらがビール類やRTDにフィードバックされれば、メーカーにも消費者にも大きなメリットとなるのではないか。

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プロフィール
永井 隆(ながい・たかし)
 ジャーナリスト。1958年群馬県桐生市生まれ。明治大学卒。東京タイムズ記者を経て、92年にフリージャーナリストとして独立。「サントリー対キリン」(日本経済新聞出版社)など著書多数。

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