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「最低生活保障」支給で国民は幸せになるか?

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「減価マネー」でモノ・サービスとの交換活発化

 減価マネーとは、ドイツ人実業家のシルビオ・ゲゼル(1862~1930年)が提唱した通貨システムの一種である。それを具現化する方法の一つとして、「スタンプ貨幣」という仕組みがある。これは、例えば1か月ごとに紙幣に一定額のスタンプ(印紙)を貼っていく。貼られたスタンプが多いほど、紙幣の価値が下がる。紙幣を持ち続けていても損をするだけなので、紙幣とモノやサービスとの交換が活発化する。

 1930年代にオーストリアのベルグルという町が地域通貨の一種として発行したのをはじめ、ヨーロッパの数多くの都市が、この減価マネーの仕組みを導入し、地域経済の活性化に成功している。

 日本でもおなじみの「期限付きの商品券」の発想に近いかも知れない。ただ、それとの違いは、減価マネーは、最終消費者が使用するのみならず、企業間の取引などにも使われ、貨幣流通のあらゆる部分で「お金をためる」のでなく「お金を使う」ことにインセンティブが働く点にある。

減価マネー導入によって国内の消費活動、生産活動が活発化すると予想される(写真はイメージ)
減価マネー導入によって国内の消費活動、生産活動が活発化すると予想される(写真はイメージ)

 たとえば、全国民を対象に、月額8万円分の減価マネーを一律給付するとしよう。週1%減価させ、減った分は国庫に戻る。その場合、減価マネーは1年間で約4万円に価値が下がり、2年ほどで価値がゼロになる。

 減価するスピードは、国民が保有していても、企業などが保有していても変わらない。減価マネーを受け取った経済主体(人や企業)には、それでモノやサービスを購入するまでの時間をできるだけ縮めようとするインセンティブ(動機付け)が働く。国民、企業はお金を貯蓄や内部留保としてため込まなくなり、結果として、財政負担が軽減され、国内の消費活動、生産活動が活発化することが期待される。

 個人にせよ企業にせよ、減価マネーの保有期間が長ければ長いほど、政府に多くのお金(税金)を納めていることに等しい。週1%の割合で減価していくとすれば、給付された減価マネーは2年ほどで全額政府に戻ってくることになる。だから、政府はそれを再びベーシックインカムとして投じればよい。つまり、減価マネーの財源を2年分だけ確保すれば、3年目以降は新たな財源は不要なのである。

 仮に、政府が支出する社会保障関係費の3分の1以上を占める年金と生活保護を、減価マネーによるベーシックインカムに切り替えた場合、財政はかなり改善の方向に進むものと考える。

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