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早期スポーツエリート教育は「悪」か

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早期専門化が求められる理由

 なぜ、そのような幼い時期に競技を専門化する必要があるのでしょうか。まず、子どもたちにとっても、保護者にとっても、スポーツをする目的が「プロ選手やオリンピアン(オリンピック選手)になる」というように、エリート指向が強いことが挙げられます。

写真はイメージ
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 例えば、日本の野球やサッカーでは、高校を卒業してすぐにプロ選手になる例が少なくありません。特にサッカーは、もっと早い時期にプロ入りする選手たちもいます。

 プロスポーツ以外でも、競技歴で大学進学を目指す選手たちにとっては、18歳で競技パフォーマンスのピークをある程度作る必要に迫られます。

 次に、18歳、または成人でエリート選手になるためには、より低年齢の小・中学校時代から競技成績が良くなければいけない、という考えも影響していると思います。

 低年齢のうちに特定の競技に打ち込み(専門化し)、同世代の中でパフォーマンスを高めておくことが、その後、よりレベルが高く、充実したトレーニング環境に身を置くことにつながり、将来的な競技力を高めることにもなる――「先手必勝」的な考え方もあるようです。

「10年1万時間」の法則

 もう一つ、指摘したいのは「10年1万時間ルール」の存在です。これは優れたアーティストやチェスプレーヤーが育つには10年間で計1万時間のトレーニングが必要であるという考えで、スポーツ分野にも応用されています。

 この考えに基づくと、18歳の時点で一定の競技成績を求めるならば、逆算すると、8歳から競技の専門化をしておく必要があるのです。

早生まれと遅生まれの「差」

 将来のために、幼いうちに競技を始め、それに打ち込む子どもたち。現場からはその「反動」も報告されています。

 みなさんは「相対的年齢効果」という言葉をご存じでしょうか。簡単にいうと、同学年における遅生まれ(4月生まれ)と早生まれ(3月生まれ)の運動能力や体格の差のことです。小学生、場合によっては中学生でも、同学年における4月生まれは、3月生まれよりも体格や運動能力に優れる傾向があります。これは、いわゆる早熟や晩熟という言葉にも置き換えられます。

 もちろん、3月生まれの子どもの全てが晩熟、4月生まれの子どもの全てが早熟というわけではありませんが、概してその傾向が強いということです。実はこのことが、スポーツの早期専門化による弊害の一つと密接に結びついていると考えられます。それは、セレクションの際に「見落とされる子どもたち」を生み出していることです。

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