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早期スポーツエリート教育は「悪」か

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選抜の網にかからない子どもたち

写真はイメージ
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 プロスポーツやオリンピックの大舞台での活躍を夢見る子どもたちは、概ね小学生の間に、各競技のセレクションを受験します。その後に、優れた環境でトレーニングをするために通らなければならない「狭き門」とも言えます。

 サッカーでは、Jリーグアカデミーのセレクションがそれに当たりますが、この過程を経て子どもたちが入団したあるチームで、選手たちの生まれ月の分布を調べたところ、50%以上が遅生まれ(4~6月生まれ)で、早生まれ(1~3月生まれ)の子どもは10%にも満たないという傾向が見られました。

 同じ年代の東京都内で出生した子どもたちの生まれ月は1~3月、4~6月ともに約25%ずつでした。この比率から判断すると、セレクションの場では、早生まれの子どもの半分は見落とされてしまい、逆に、遅生まれの子どもたちは高い合格率だった可能性があります。セレクションで評価をつける大人たちが、遅生まれのためにその時点で体格や運動能力が優れていた子どもたちを積極的に選んだ結果と考えられるのです。

将来「逆転」の可能性

 しかし、この時点では生まれ月の影響による早熟・晩熟の成長の差があったとしても、18歳以降にはほぼ等しくなると考えられます。早生まれで晩熟な子どものジャンプ力は、12歳時点では(遅生まれの)早熟な子どもよりも低かったものの、その後、早熟だった子どもを上回ったという研究報告もあります。すなわち、将来的に運動能力が高くなるかもしれない子どもを、早期のセレクションでは「選抜しきれていない」可能性があるのです。

 なお、ギュリッヒ教授らがドイツのオリンピック代表選手を対象に行った研究では、低年齢(10~18歳)での競技成績は、「シニアレベルでの競技成績に関係しなかった」と報告されました。

自己肯定感を損なわぬように

 こうしたセレクションの結果は、妥当性ばかりが問題なのではありません。能力を秘めながらも見落とされてしまった子どもたちのメンタル面、つまり、心の問題に目を向ける必要があります。

 彼ら、彼女らが自己肯定感を損なうことなく、その後も前向きに競技と向き合えるかどうかがとても大切です。指導者や保護者が子どもたちにどのように声かけをするかがポイントになります。その点をしっかりできれば、あとは、適切にトレーニングを継続できる環境があればよいのです。

 そのためにも、子どもの成長度合いや競技レベルに合った練習環境の整備、そして適切なコーチング教育を受けた指導者が広く存在することが望ましいと思います。

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431294 0 深読み 2017/05/05 11:00:00 2017/05/05 11:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170503-OYT8I50000-T.jpg?type=thumbnail

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