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警戒せよ! 秋田の「人食いグマ」は3頭生き残った

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最も危険な「額の左側に古傷ある」雄グマ

 特に注意したいのが、額の左側に古傷のある若い雄グマと、赤毛の大きな母グマだ。昨年5月25日、この若い雄グマが、タケノコ採り中の60歳代の男性を襲ったが、(とが)らせたササダケで目の下を突かれた。逃げたこのクマは、体長1メートル10センチ、体重50キロほどに成長しているだろう。このクマは、第4現場(6月10日)で射殺された雌グマが連れていた子グマであり、犠牲者3人を食害し、他に2人に軽傷を負わせているのは確実だ。額の左側に古傷を持つこのクマが、最も危険だと思う。

 また、大きな母グマ(推定体重120キロ)は赤毛だ。ツキノワグマの赤毛は10歳以上の高齢の雌グマに出現しやすく、私は12歳と推定している。このクマも危険だ。

 額の左側に古傷を持つ雄グマを昨年、継続して追跡していると、旧熊取牧場を通る東西の線より北側で東西移動を続けており、不思議に思っていた。昨冬と今年4月に現地を踏査したところ、第1現場と第2現場に接する国有林に大規模な「クリ園」が広がっていることが分かった。

大規模なクリ園に立つ標柱(日本ツキノワグマ研究所提供)
大規模なクリ園に立つ標柱(日本ツキノワグマ研究所提供)

 このクリ園については、県や市などの行政側や営林署、他のクマ研究者も言及していない。クリ園には施工者や面積を記した白い標柱が立っている。それによると、約30ヘクタールの土地に約7万本のクリが植えられている。造成後、20年はたっているようだが、豊作の年なら10頭以上のクマが食料を確保できるだろう。

 熊取平では5、6月にはタケノコ、6月はソバの花と実、7、8月には大豆の花芽と若葉があり、秋にはクリが食べられる環境が整っている。越冬も周辺で行うようになり、クマが年中、定着し続けるため、この地ではクマによる事故が続く恐れがある。クマのタケノコ食は5月15日ごろから6月下旬まで続くため、今年もタケノコ採りには十分な注意が必要だ。

 現地では、間もなくタケノコ採りシーズンが始まるが、その前に次のような対策を提案したい。

(1)閉鎖、通行止め型の山林管理は、入山意欲の強いタケノコ採りの人たちの早朝の入山、薄暮の下山を招くことにつながり、危険だ。タケノコ採りのプロが隠れて入山するようになっては管理、状況把握が困難になる。山林管理は指導員による巡視型が望ましい。

(2)クマによる殺害・食害事故であることが確実な場合には、ヘリコプターの投入はクマの移動や周辺への拡散を招く。ヘリを投入すると、クマが騒音に驚いて移動してしまい、別の場所で殺害事件を引き起こし、さらに「食害参加グマ」を増やす恐れがある。ヘリの運用には慎重を期したい。

(3)クマの駆除に対して、批判的な意見が多数、市役所に寄せられる可能性がある。被害対策実務者の負担を軽減するため、対応する専門担当者を置くことを考えたい。

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431168 0 深読み 2017/05/11 16:30:00 2017/05/11 16:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170510-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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