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警戒せよ! 秋田の「人食いグマ」は3頭生き残った

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福島・会津でも「人食いグマ」が出現する恐れ

福島県内に生息するツキノワグマ(福島市の磐梯吾妻スカイラインの吾妻山山頂付近で、2016年7月23日、源幸正倫撮影)※本文とは関係ありません
福島県内に生息するツキノワグマ(福島市の磐梯吾妻スカイラインの吾妻山山頂付近で、2016年7月23日、源幸正倫撮影)※本文とは関係ありません

 これまで、最初からクマが人を食べる目的で連続して襲ったのは、1988年に山形県戸沢村で起きた3人殺害事件だけだった。が、5年ほど前から私は同様の連続殺害事件が起きる恐れのあるいくつかの地域に通い、状況を調査してきた。

 秋田以外で、人食いグマが出現する危険性の最も高い地域とみているのが、福島県の会津地方だ。会津地方では21世紀に入ってから、クマの事故で5人が死亡し、72人が重軽傷を負っている。

 特に注目されるのは、会津美里町西本の明神ケ岳(みょうじんがたけ)東面で、最近では2013年5月27日に山菜採りの男性(当時78歳)がクマに襲われて死亡。翌28日に捜索隊の警官2人を含む4人が、遺体のそばにいたクマに襲われ、重軽傷を負う事故が起きている。

 この地では、明神ケ岳周辺でクマによる事故が6件発生し、近くの八木沢、杉屋、勝原の各地区でも事故が起きている。今年5月2日には同町松岸地区の山林で山菜採りをしていた男性が、遭遇したクマに近くの沢まで約10メートル引きずられ、右足をかまれて重傷を負う事故があったばかりだ。攻撃性の高いこのクマには十分に留意する必要がある。一連の事故は近い将来、この地方で、1頭のクマによって、一撃で複数の人間が殺害される事件が起こることを危惧させる。

 私が最も心配するエリアは、同町西本を起点とする総延長8キロの海老(えび)山林道で、約4キロ奥に民家10戸ほどの集落がかつてあった。このような廃村にはカキやクリ、ウメなどの果樹が残されていることが多く、クマが居つきやすい環境になっている。現地周辺に住む方々や山菜採りの人は、十分に注意してほしい。

 日本の3大クマ襲撃事件の一つ、十和利山クマ襲撃事件の全容を解明するためには、まず「クマの攻撃生態」を明らかにする必要があると考え、急きょ、『熊が人を襲うとき』(つり人社)を出版した。

 クマによるこれまでの事故、1993件(被害者2255人、狩猟事故を除く)はどのように起きたのか。事故例を分析し、助かる方法も提示した。私自身も過去に8回襲われ、クマとの遭遇は数知れない。ツキノワグマを追い続けて46年になるが、少しでも被害者を減らすことができれば、と願っている。

プロフィル
米田 一彦(まいた・かずひこ)
 1948年、青森県十和田市生まれ。秋田大学教育学部卒。秋田県庁で鳥獣保護や自然保護行政に携わった後、フリーのクマ研究者になる。2001年、NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)を設立し、現在、理事長を務める。著書に『ツキノワグマを追って』『山でクマに会う方法』『熊が人を襲うとき』などがある。


『熊が人を襲うとき』(つり人社)
『熊が人を襲うとき』(つり人社)

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431168 0 深読み 2017/05/11 16:30:00 2017/05/11 16:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170510-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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