「てるみくらぶ」のような格安ツアーはもう限界?

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【3】破産直前まで客を募集

(画像はイメージ)
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 航空会社が旅行会社に支払っていた国際航空券の発券手数料(コミッション)の廃止のことを「ゼロコミッション」という。

 日本では、ノースウエスト航空が他社に先駆けて2008年10月からゼロコミッションにして以降、翌年4月からは日本航空もゼロコミッションにすることを旅行会社各社に通知した。

 これは航空会社がインターネットによる直販を重視していることを示すもので、従来の旅行会社の収益モデルの破綻につながる政策である。

 これにより、旅行会社は旅行客から取扱手数料(フィー)を受け取るようになったが、これだけでは経費に見合う収入を確保できない。このため、発券ボリュームの多い旅行会社は個別に航空会社と報奨金(ボリュームインセンティブ)の交渉を行っている。

 「てるみくらぶ」の経営は、こうした航空会社からのボリュームインセンティブに依存した経営体質だった可能性も指摘されている(トラベルボイス2017年4月3日「てるみくらぶ決算書から読み解く経営の問題点、企業会計のプロに一問一答で聞いてみた」)。

現金一括入金で資金調達?

 もしそうだとすれば、航空各社からのボリュームインセンティブを獲得するために、薄利多売でもよいので、メディア販売で集客を目指したことが容易に考えることができる。

 航空会社からのボリュームインセンティブが入ってくるまでの間の資金調達を、旅行商品の安値による「現金一括入金キャンペーン」に頼ったことも、この文脈から読み取れる。通常の海外パッケージツアーは、申込金だけを先に一部支払い、旅行出発前に残金を支払う。

 クレジットカードでの支払いとなれば、カード会社からの入金は先に延びてしまう。それでは、IATAのBSPの精算方式である月4回の支払いに資金が不足することも想定されうる。こうしたボリュームインセンティブに頼る経営と、国際航空券発券のためのBSP方式による支払いのため、「てるみくらぶ」は破産直前まで、ツアーへの参加募集を行っていたと考えられるのだ。

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