北朝鮮、さらなる挑発の可能性も

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中国は「石油カード」を切りづらい

 最近になって、北朝鮮が中国を非難することもありますが、長いスパンで見れば中朝関係が根本的に悪くなることはありません。

 中国にとって北朝鮮問題は辺境問題、すなわち国内問題でもあります。北朝鮮が不安定になると、中国東北地域もチベットやウイグル地域のように騒がしくなるでしょう。つまり、中国の他の辺境地域にも影響します。だから現状維持しかない。中国が中朝国境を封鎖し、北朝鮮への石油の輸出を止めれば、北朝鮮は3か月ともちません。北朝鮮の暴発を避けたい中国としては、そう簡単に「石油カード」を切ることはできないでしょう。

核とミサイルはセット

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長にしてみれば、核保有を既成事実化したい。イラクやシリアは核を持っていないから攻撃されたと考えているのです。

 朝鮮人民軍の貧弱な通常兵器は実戦ではほとんど役に立たないでしょう。私がインタビューした元兵士は「部隊にいた12年間で1度も実弾射撃をしたことがない」と話していました。だから、金正恩委員長にとっては核兵器が命綱。放棄する気はさらさらありません。労働新聞の社説にも、「命より大事な核を放棄させようとするのは幻想だ」と書かれています。

 金正恩委員長が核を放棄することはありません。核とミサイルはセットですから、ミサイル実験だけをやることはないはずです。これから6回目の核実験を含め、北朝鮮は世界の緊張を高めていく可能性は高いと見ています(談)。


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プロフィル
李 相哲(り・そうてつ)
 龍谷大学社会学部教授。1959年、中国・黒龍江省生まれ。北京中央民族大学卒業後、中国の日刊紙記者を経て87年に来日。95年、上智大学大学院文学研究科新聞学専攻で博士号(新聞学)取得。上智大学国際関係研究所客員研究員などを経て98年、龍谷大学社会学部助教授。2005年より現職。主な著書に『朴槿恵<パク・クネ>の挑戦 ―ムクゲの花が咲くとき』(中央公論新社)、『金正日秘録 なぜ正恩体制は崩壊しないのか』(産経新聞出版)などがある。

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430966 0 深読み 2017/05/16 12:00:00 2019/02/07 00:00:03

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