スタバでバイトは就活にメリット?

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バイトでも80時間の研修

 次に、「まずやってみせないと動けない」という特徴もあります。

 人手不足にあえぐアルバイトの現場では、入社後に充分な育成を行えない状況が増えています。一昔前までは、現場で実践しながら学び育てるOJT(On the Job Training)が教育の定番とされていました。しかし、忙しい現場において、このOJTはいつの頃からか、本来の意味から“ぶっつけ本番”という意味にすり替わってしまっているのです。

 私たちがアンケートを行った「入社時の働きかけ過不足調査」のデータでも、アルバイトとして入社した時に「重要と思うが働きかけの量が少ない」と感じていたのは、もっぱら「研修」や「トレーニング」などの項目です。

 そんな中、「スタバ」は入社して店頭で接客する前に80時間のトレーニングを実施しています。劣化した職場の増加が注目を集めるようになる中で、しっかりと教えてほしいという若者の志向に対し、きちんと人的な投資を行っているスタバが、余計に支持を集めてしまうというワケです。

ブランドバイトが就活で好印象

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 さらに、今の学生は「実は意外とマジメ」なのです。

 今回の調査結果からもその片鱗(へんりん)がうかがえます。男子学生は、“自分のキャリアや成長につながりそうだ”という「仕事」を考えており、女子学生は“働いている人が魅力的だ”と感じる「仲間」について重視する傾向がありました。

 今の学生にとっては、アルバイトを通じて成長できることや、職場で一緒に自らを高め合っていける仲間が見つかることが、将来の自分のために得られる何よりも大きな経験だと感じているようです。

 「とにかく時給が高けりゃいい!」と考えていた昭和時代の学生と比較すると、実にマジメと言えます。意識の高さも浮き彫りになります。スタバのイメージは、そんな「意外とマジメ」な学生のアルバイト観にピタリとはまるのでしょう。

 そして、高倍率とされるスタバに念願かなって採用されると、気配りと笑顔を絶やさない職場で自然と鍛えられ、さらに成長していくのです。

 そんな学生を企業が放っておくわけがありません。現に採用の現場では、「スタバでバイトしています」が就職活動に効果的という話をよく耳にします。マニュアルではなく、お客様のためにどうすべきかを自分で考える。そんな感性を日々働く中で磨かれてきた学生は、企業にとっても喉から手が出るほど欲しい人材像ではないでしょうか。

 スタバでバイト経験のある学生がこんなことを言っていました。

 「お店に行って着替えてエプロンを着けた瞬間、ゲストをもてなす演者になるっていうか……。役者のスイッチが入るような、ちょっとそんな気持ちになるんです」

 なるほど、スタバは自らが輝ける“舞台”と言えそうです。

 マジメとはいえ、おとなしくて草食系なイマドキ学生に交じって、こんな意識の高い“役者”が面接に来たら、企業が内定を出したくなるのもうなずけます。

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プロフィル
平賀 充記( ひらが・あつのり
 アルバイト・パート専門人材コンサルティング会社ツナグ・ソリューションズ取締役。ツナグ働き方研究所所長。1988年、リクルートフロムエー(現・リクルートジョブズ)入社。「FromA」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルート主要求人媒体の全国統括編集長などを経て、2014年から現職。著書に「非正規って言うな!」(クロスメディア・マーケティング)

「非正規って言うな!」(クロスメディア・マーケティング)
「非正規って言うな!」(クロスメディア・マーケティング)


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430753 0 深読み 2017/05/28 08:25:00 2017/05/28 08:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170525-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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