19連勝の藤井四段、プロはどう見ているのか

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

将棋界で「ベストテンに入る」の声も

竜王戦6組決勝の大盤解説会には多くの人が詰めかけ、藤井の将棋を見守った(5月25日、よみうり大手町ホールで)
竜王戦6組決勝の大盤解説会には多くの人が詰めかけ、藤井の将棋を見守った(5月25日、よみうり大手町ホールで)

 将棋の公式対局がおこなわれるのは、一般的には平日である。この日は木曜日だった。まだ中学生の藤井は当然、学校を休まなければならない。愛知県瀬戸市で現在も実家に暮らしている藤井は、勝てば勝つほど対局が増え、まさに東奔西走の日々だ。

 義務教育の中学のうちは、まだ何とかなる。しかし、高校に進むと、出席日数が足りなくなってしまう可能性が高い。それが、家族の悩みでもある。実際、羽生も高校時代に出席日数が足りなくなりそうになり、後に通信制課程のある学校に転入し、卒業資格を得ている。

 藤井の強さの特徴については、すでに多くの棋士から様々な見解が示されつつある。ほぼ共通しているのは、バランス感覚のよさと、将棋の完成度の高さである。

 新鋭が勢いのある攻め将棋で勝ち進むというパターンはこれまでにも多々あった。しかし、藤井の場合は少し違う感じだ。序盤、中盤、終盤とも、スキがない。攻めるべきところは攻め、それで圧倒してしまう将棋もあるが、その一方で、受けもまたしっかりしている。

 昼食休憩後、藤井の誘いに乗る形で近藤が動いた。自然なように見えて、結果的には、ややまずかったのかもしれない。しかしそれ以上に、藤井が用意していた構想が見事だったと言うべきだろう。藤井は歩を1枚損する代わりに、近藤の銀を働きのない場所に追いやり、飛角の大駒を大きく使って、形勢をリードする。

 ある実力派棋士から「見事なもんだねえ」という感嘆の声を聞いた。よほどの才能がない限り、同業者を「天才」と呼ぶことがない将棋界において、藤井は既に「天才」と認められている。

 藤井は奨励会三段の時から、研究の際にコンピューター将棋ソフトを使っているという。藤井と対戦したある若手強豪棋士は、そこに藤井の強さの秘密の一端があるのではないか、という見方をしている。もともとの才能、努力に加えて、最先端の研究ツールまで使いこなす。ならば、強いのは当然ともいえる。今の将棋界で藤井はどれほどの位置にあるのかと、その若手棋士に尋ねてみたところ、「ベストテンには入るのではないでしょうか」という答えが返ってきた。

【あわせて読みたい】
AI囲碁、グーグルとフェイスブックは何を狙っているのか
壁を打ち破れ、女流棋士・里見香奈の挑戦

1

2

3

4

無断転載禁止
430667 0 深読み 2017/05/30 09:39:00 2017/05/30 09:39:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170529-OYT8I50078-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み_東京2020オリンピックパラリンピックキャンペーン

アクセスランキング

 


東京オリンピックパラリンピックオフィシャル新聞パートナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ