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世界初「洗濯物折り畳みロボット」は暮らしを変える?

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「衣類コンシェルジュ」としてのサービス提供も

 ランドロイドは、世界初の衣類自動折り畳み機であることに加え、従来の家電製品にはなかった新たな注目点がある。あらゆるものをインターネットでつなぐ「IoT」の技術を応用した、本格的な「IoT家電」としての位置づけだ。

 第一に、ランドロイドはIoT技術を活用して、折り畳み機能を自動的に向上させていく。利用者は、スマートフォンの専用アプリを通じ、製品の機能に関わるソフトウェアを随時更新できる仕組みで、「製品の購入後も性能が進化し続ける」と言えるだろう。

 例えば、今のランドロイドは、靴下を1足にまとめることができないが、今後は靴下の認識精度を上げて「ペアリング」(靴下まとめ)の実現に挑戦する。さらに、セブン・ドリーマーズ社は、折り畳み方の情報収集・分析を続け、フード付きのトレーナーなど、より複雑な形や種類の衣類を、より速く、よりきれいに畳むためのソフト開発を継続する――としている。

 折り畳み機能のアップだけではない。ランドロイドは、「クローゼットの洋服の着用頻度をデータ化」(阪根社長)することで、従来の家電とは異なるサービス提供を計画しているという。

 ランドロイドは、衣類の使用頻度を家族それぞれのデータとして蓄積、管理することができる。この能力を生かして、ブティックでの買い物中に「同じような服を自分が持っていたかどうか」をスマホで確認することも可能になる。いわば「AIクローゼット」としての可能性が広がっているわけだ。

「ランドロイド」と連携して、服のコーディネートを提案するサービスも計画している
「ランドロイド」と連携して、服のコーディネートを提案するサービスも計画している

 働く女性にコーディネートした服をレンタルするベンチャー企業と協業し、「衣類コンシェルジュ」としてのサービスを提供することも計画されている。ランドロイドが手持ち衣類の着用頻度をチェックし、あまり着ない洋服とコーディネートしやすい服をレンタル会社に届けてもらう――といったサービスで、利用者は着回しの可能性を高めることができる。このほか、ランドロイドに洋服の色に関する提案をさせるなど、AIを活用してファッションに広がりを持たせるさまざまな計画が検討されている。洋服のレンタル会社とタッグを組んで展開するサービスは、実機出荷時のスタートを目指しているという。

 可能性はまだある。IoT技術による音声認識ロボットと連携したサービス提供や、ランドロイドと組み合わせた全自動洗濯乾燥機の販売、さらにランドロイドをビルトインした住宅の供給も視野に入れている。すでにパナソニックや大和ハウス工業と合弁でランドロイドの開発を進めている。現在は国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の支援も受けており、今後もパートナー企業を募って新しい生活スタイルの提案を進めたい――というのがセブン・ドリーマーズ社の戦略だ。

 「(衣食住の)“衣”をもっと自由に楽しむ、新しいライフスタイルを提供したい」。発表会に臨んだ阪根社長は、そう強調する。

「日本のモノ作りで、世界一イノベーティブな会社に」

 ランドロイドを開発したセブン・ドリーマーズ社は、どのような会社なのか。

 同社は、「世にないモノを創り出す技術集団」を旗印に、阪根社長が11年に創業した。社として開発に取り組む製品は、(1)世の中にないモノ(2)人々の生活を豊かにするモノ(3)技術的なハードルが高いモノ――という三つを満たすことが条件だ。

 社員約100人を抱える同社の平均年齢は42歳で、新興企業としては比較的高い部類だと言える。大手家電メーカーを早期退職した人材などが相次いで転職・入社しているためだ。

 企業としてのセールスポイントは、こうした多様な人材にほかならず、「技術的ハードルを解決するためのアイデアと引き出しの多さ」(阪根社長)が自慢だ。さまざまな経歴を誇る社員が、国内の他メーカーなどで培った技術をもとに、新たなイノベーション(技術革新)を興そうと開発に取り組んでいる。「日本のモノ作りで、世界一イノベーティブな会社」になるのが目標だ。これまでに、プレーヤーごとにスイングを3D測定・分析するオーダーメイドの高級ゴルフシャフトや、睡眠時無呼吸症候群の患者向けの簡易な呼吸確保用具の開発実績がある。

 製品発表にこぎつけた今回のランドロイドは、「世にないモノ」を探しあぐねた阪根社長が妻に相談したところ、「洗濯物を畳む機械が欲しい」という声を得たことで開発をスタートしたという。

 日本のエレクトロニクス産業は1980~90年代を通じ、「モノづくり大国」の推進役として世界に注目されたが、新興国の追い上げなどを背景に、現在では厳しい戦いを強いられている。再生のカギを握るのは、セブン・ドリーマーズ社のように革新的な技術を持つ若い企業が創意工夫し、IoT技術などの応用も合わせて製品の付加価値を高める道であるのは間違いない。

 IoTは大量のデータの収集・処理を可能にし、生産性の向上や新しいサービスに結びつく。その市場規模は、2016年から21年まで、年平均17%の伸びを見せ、21年には市場規模が現在の約5兆円から11兆円に拡大するとの予測もある。業界関係者が、ランドロイドのような新しい技術と新しい市場に向ける眼差しは熱い。

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