星野リゾートがディープな大阪に進出する「ホンマの理由」

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「星野」は進化の起爆剤?

建設予定地を上空から撮影した。手前中央の空き地が予定地
建設予定地を上空から撮影した。手前中央の空き地が予定地

 2008年に予定地の南、「動物園前商店街」の一角で喫茶店を開き、16年4月、移転して新たにゲストハウスをオープンしたNPO法人「こえとことばとこころの部屋(ココルーム)」(西成区)の代表、上田假奈代さん(47)は地元の空気をこうとらえている。「進出が決まってすぐは、あまり話題に上らなかったが、現在は変化に対応していこうという思いもあるようだ」

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 ゲストハウスの宿泊客は、外国人と日本人が半々だ。外国人客の行き先は、新世界や道頓堀、USJ、京都と様々だが、ゲストハウス周辺や地元の人たちの暮らしにも興味を持っているという。「メキシコ人の男性から頼まれて、釜ヶ崎(あいりん地区周辺の通称)の知人のお見舞いに連れていったこともあります」(上田さん)

 上田さんは、ゲストハウスの他に、地域の住民らを対象に読書会や詩、合唱、ダンスといった講座や、ワークショップを行う「釜ヶ崎芸術大学・大学院」の運営や街歩き、健康相談、夜回りなど、地域で様々な活動に取り組んでいる。「(星野リゾートの進出で)変わることもあるでしょうが、新しく訪れる人たちにも、この街の歴史や、たくましく生きてきた人たちの姿を伝えていきたい」と話す。

 05年ごろから、新今宮駅周辺で学生らによる観光案内所の運営や、多言語パンフレット作製といった外国人観光客の誘致に取り組んできた阪南大学国際観光学部の松村嘉久教授(51)は、「新今宮駅周辺の区や地域、公共交通機関などが、それぞれの壁を超え、駅を中心とした街づくりについて考える、連携するきっかけになれば」と進出を歓迎する。

 周辺には安くておいしいレストランが多く、ざっくばらんに飲めて、知らない人同士が仲良くなれる雰囲気がある。ウォール(壁)アートやジャズなど、文化的な活動も盛んになった。松村教授は「アクセスがよく、外国人の目線で見た時には魅力的な地域」と分析する。星野リゾートが進出すれば、外国人旅行者に加え、駅で降りる日本人観光客も一気に増えることが予想されるため、松村教授らも取り組みにいっそう力を入れる考えだという。

 また、松村教授は「関西空港で降りた外国人旅行者は、まずは新今宮を目指して来る。立地やアクセスのよさを生かして、四国や九州といった地方の情報も発信し、旅行者を『(西日本の)他の地域へ誘うよう仕掛ける』体制を整えれば、『リピーター』の観光客にも対応できるし、ハブ(交通の結節点)的な存在としても栄えるのではないか」と期待する。

 星野代表は、会見で「(予定地周辺の)ディープな部分は圧倒的なプラス。新今宮でいろいろな活動をしている方々と連携を取っていく」と語った。新ホテルの進出は、果たして新たなまちづくりの起爆剤となり得るのか。「ディープな大阪」の今後に注目したい。

プロフィル
南 文枝( みなみ・ふみえ
 1979年、石川県生まれ。同志社大卒業後、毎日新聞記者やIT企業広報などを経て、2013年から、フリーライターとして書籍やインターネットメディアに寄稿する。現在は兵庫県・淡路島に在住。関西や四国の行政や企業、地元の話題など「地方発」の記事のほか、地方税制やフィギュアスケートなどの記事も得意とする。

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