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あの暴言議員だけでない…「政策秘書」はつらいよ!

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政策秘書制度を機能させるには…

 日本の政策秘書制度は、米国の制度を「お手本」にしたものだ。米連邦議会は、上院で1885年、下院では93年に秘書の人件費を公費で賄う制度がスタートした。

 米国では厳格な三権分立の下で、法律案の提出権が議員に専属している。そして、法律の名称には、立法化の過程で中心的に関わった議員の名前を冠したケースが多い。銀行と証券の業務の分離を盛り込んだ「グラス・スティーガル法」や「サーベンス・オクスレー法」(企業改革法)などが好例だ。

 こうした議員による法案づくりをサポートするため、上院には議員1人当たり約40人、下院で同20人前後の公設秘書(政策スタッフ)が存在する。上院議員には秘書・事務所費用として年間3億~5億円の手当が支給され、この中から政策スタッフの人件費を賄っている。

公設秘書のバッジ
公設秘書のバッジ

 米国議会を視察した経験がある民進党の小西洋之参院議員は、上院議員の政策スタッフの充実ぶりに目を見張ったという。小西議員は、政界に転ずる前は総務省のキャリア官僚だった。「役所で課長補佐を務めていた頃は、担当分野は限られていたが、7人の部下がいた。それに対し、安全保障から教育まで多岐なテーマを扱う国会議員の公設スタッフが半分以下の3人というのは、どう考えても少ない」と話す。

 川田悦子元衆院議員(無所属)の政策秘書を務め、『政策秘書という仕事 永田町の舞台裏を覗いてみれば』(平凡社新書)を執筆した石本伸晃弁護士は「政策を作り、事務所を回していくには、最低7人は必要」と話す。

 その上で、「政策秘書の質をもう少し上げていかなければならない。ベテラン秘書を政策秘書に採用する特例制度を廃止し、弁護士などのエキスパートをもっと積極的に採用すべきだ。国民の税金で人件費が賄われている以上、公設秘書に関しては、どういうキャリアを持った人材が採用されているのか、各議院への報告を義務づけてはどうか」と提案している。

 政策秘書が担当するべき仕事を与えない議員側にも問題がある。だが、「有権者は、議員がどれだけ政策を作ったかより、街頭演説を欠かさず、地元を小まめに回っている方が、『仕事をしている』と評価する」(自民党衆院議員)といった指摘もある。石本弁護士は、「今回の豊田議員の問題を契機に、改めて政策秘書のあり方を考えるべきだ」と話す。

 少子高齢化で人口が減少し、国力の低下が懸念される中、国民生活に密接に関わる法律づくりを担う国会議員の役割はこれまで以上に重くなる。国会議員の政策立案をサポートする目的で導入された政策秘書の制度を十分に機能させるには、政策秘書の質を高めるとともに、議員本人が政策秘書をうまく活用できるように意識改革を進めなければならない。

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プロフィル
高橋 徹( たかはし・とおる
  読売新聞調査研究本部主任研究員。政治部で旧・民主党などを担当。その後、経済部次長、静岡支局長を経て現職。学生時代に2年間、衆院議員の事務所で秘書のアルバイトを経験し、拘束時間の長い公設秘書の仕事を目の当たりにした。政治部時代にも、支持者にはにこやかに対応する一方で、事務所のスタッフに当たり散らす与野党の議員を見て、そのギャップに驚いたことも。秘書を取り巻く状況は今も昔もそれほど変わっていないという印象を持っている。

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430016 0 深読み 2017/07/06 12:00:00 2017/07/06 12:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170705-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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