炎上と延焼を繰り返すネットCMの舞台裏

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話題のCMは標的になりやすい

「ワンオペ育児を美化している」と批判されたユニ・チャームの動画
「ワンオペ育児を美化している」と批判されたユニ・チャームの動画

 企業の場合は、どんなにユニークな動画を作っても、自治体に比べれば社会性をかもし出すことは容易ではありません。そこで、考えられたのが、「子育て」「女性活用」「一億総活躍」といった政府が使うキーワードをCMで表現する手法です。「イクメンのパパがママと子育てをがんばっている」「若い女性が男性に負けずバリバリ働いている」……。

 しかし、こうした社会性のあるテーマで話題化を狙うと、どうしても、炎上スレスレになりがちです。つまり、標的となりやすいのです。

 例えば、赤ん坊が出てくる育児シーンを連想させるテレビCMなら、ママが一人であくせくするより、父母役がともに出てくるのが“常識”となります。むしろ、パパがオムツ替えをするくらいのほうが“今風”です。会社の飲み会の場面なら、女性上司が男性部下を引き連れてくるほうが時代に合っていると考えられます。

 それでも、その表現方法が目に付くがゆえに、反発も招きます。

 「男性目線で不愉快」

 「女性を軽視している」

 では、こうした批判を招いてしまったらどうなるのでしょう? 

 大企業ほどブランドイメージを守る広報部が黙っているワケはありません。えてして、CMを制作する宣伝部と、企業イメージを守る広報部は対立しやすいようです。

 ネットCMが炎上していると知ったら、広報部はネットやSNSでその評価をチェックするでしょう。リスク管理として批判的なコメントをリサーチし、即座に公開中止を決めてしまうという事態も考えられることです。

それって本当に「炎上」?

 ところが、「炎上」と言われたことが、「それほどでもない」という一面があることも周知されるようになっています。

 Yahoo!ニュースなどでコメント欄をのぞいてみると、批判ばかりです。ニュースそのものに対する異見もあれば、文章の書き方に関する苦言、そのニュースを取り上げた報道機関を中傷するものもあります。

 ちなみに、ネット上では多くの人が共感する話題であっても、コメントのほぼ4分の1は批判的な内容と言われます。共感者よりも批判者のほうが、言葉が過激で目立つ傾向も見受けられます。

 だから、その批判を目にしてしまうと、あたかも反発が殺到しているような錯覚に陥ります。実際には「それほどたいしたことのない批判」なのに、リスクを回避したい広報部がおわび会見などを行えば、マスコミを巻き込む形で、「炎上」とされかねないという本末転倒な事態もあります。

 とはいえ、商品のPRや販促という結果を求められる企業のCMが話題性を求めるのは仕方がないとしても、宮城県のような自治体が炎上スレスレを狙うようになったのはなぜでしょうか?

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