ツイッター投稿で読み解く「トランプ政治」

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共和党内の固い支持基盤に向け発信

 トランプ大統領のツイートには、事実誤認も指摘される。

 「ひどい! たった今、オバマ(前大統領)がトランプ・タワーで盗聴していたことを知った(Terrible! Just found out that Obama had my “wires tapped” in Trump Tower)」(3月4日午前)。しかし、オバマ政権当時の情報機関幹部は下院公聴会で盗聴の事実はないと証言し、トランプ氏は現時点に至るまで盗聴の証拠を示せないでいる。

 虚偽や事実誤認と見られるツイートが散見される中、メディアはもとより、共和党からも「『大統領らしからぬ』ツイートを控えるべきだ」との声が上がる。

 これに対し、トランプ氏は「フェイク・メディアは私にソーシャル・メディアを使わせないよう大騒ぎだ。私が正直でフィルターのかかっていないメッセージを発信できるのが嫌なんだ」(6月6日午前)、「フェイク・メディアと敵だけが私にソーシャル・メディアを使わせないようにしている」(8月1日午前)とし、一方的な発信をやめようとしない。

 「私のソーシャル・メディアの使い方が大統領らしくないわけじゃない。今どきの大統領らしいんだ(My use of social media is not Presidential-It’s MODERN DAY PRESIDENTIAL)」(7月1日夜)と自信も見せる。

 米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、7月18日時点でのトランプ氏の平均支持率は40.3%。歴代大統領の中で最低とされる。だが、共和党支持層からの支持率は就任後、一貫して8割前後と高く、支持基盤のトランプ離れは起きていない。大統領のツイートは、今やこの支持基盤にだけ向けて発信されているといえよう。

現状改善につながらないツイート

 今回、半年分のツイートを一気に読み返し、こう思ってしまった。自分と合わない人間を「低能(low I.Q.)」「プッツン(Psycho)」「インチキ(Crooked)」と公言し、自分のやったことを誇張も交え、吹聴する。こんなやんちゃな子どもがいれば、親であれ、教師であれ、心ある大人は注意するだろう。

トランプ政権は発足から半年たったが、ホワイトハウスの混迷は深まるばかり
トランプ政権は発足から半年たったが、ホワイトハウスの混迷は深まるばかり

 政権発足から半年たっても、ホワイトハウスの混迷は深まるばかりだ。議会との関係も改善されず、米メディアでは「このまま1年たっても、税制改革など主要法案は成立しないのではないか」(ブルームバーグ通信)との見方も出てきた。ツイッターで一方的な主張を繰り返すことが、内政・外交いずれの面でも、現状改善につながることはないだろう。

 トランプ氏はレーガン元大統領を尊敬するとされる。カリフォルニアという大州の知事経験はあったが政治の素人を自認していたレーガン氏は、それまで必ずしも関係が良好ではなかった共和党の実力者ジェームズ・ベーカー氏を首席補佐官として重用した。共和党の重鎮でも、財界の大物でもいい。トランプ氏に苦言を呈するような人物が現れないものだろうか。

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プロフィル
大内 佐紀(おおうち・さき)
 読売新聞調査研究本部主任研究員。1986年入社。主に国際報道に携わり、ワシントン、ジュネーブ、ロンドン各特派員。英字紙ジャパン・ニューズ編集長、編集局次長などを経て2017年6月から現職。

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