子どもを望む晩婚夫婦が知っておきたい「お金の話」
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晩婚家庭で早急に取り組むべき「家計管理」
晩婚家庭で起こり得る問題点をクリアするためには、早急に家計改善に取り組む必要があります。
家計管理の基本は「支出を減らす」「収入を増やす」「お金を増やす(運用も含む)」の三つ。成功のポイントは、夫婦で話し合いながら歩調を合わせて管理することです。まずは次の三つのステップにより現状を把握し、目標を共有しましょう。
バランスシートで夫婦の資産を洗い出す

バランスシートとは、夫婦の「資産」から、家計の「負債」を差し引くことで導き出された「純資産」がいくらあるかを把握するシートのことです。
バランスシート作りは、家計資産の見える化を図ることが目的です。独身生活が長かった人にとって、お互いの資産をオープンにするには勇気がいるかもしれません。しかし、子どもとともに生きる将来のためには、夫婦の資産を開示し合うことが大事です。
ライフイベント表で人生設計を共有
夫婦で明確な貯蓄目標がある場合とない場合、どちらが目的を達成するスピードは早いでしょうか。言わずもがな、前者のはずです。そのための明確な目標づくりに役立つのが、「ライフイベント表」作りです。ライフイベントとは、子どもの入学や住宅購入など、将来その世帯で起こる出来事を指します。節目ごとに必要なお金を想定しながら書き込んでおくことで、準備すべき金額の視覚化が可能となります。
記入する数字はざっくりとしたものでも大丈夫です。大切なのは、将来のお金の情報を夫婦で共有することです。
キャッシュフロー表で将来必要な資金を把握

また、詳細な家計の収支を確認するために、キャッシュフロー表の作成も大事な作業です。キャッシュフロー表は、毎年の世帯収入と支出をもとに、将来の貯蓄残高の推移を確認する表のことです。この表を作るメリットは、漠然とした不安を具体的な数字に落とし込むことに尽きます。特に、住宅を購入する予定のある晩婚家庭では、「住宅ローン破産」を防ぐためにもキャッシュフロー表は必ず作りましょう。
ファイナンシャルプランナーなどの専門家に作ってもらう以外にも、最近はインターネットも無料で利用できる便利なツールもあります。
ここまで終えたら、後はひたすら日々の家計の管理に徹するのみです。できるだけ無駄をなくして貯蓄に励みましょう。
「晩婚晩産破産」を回避する究極策は?
必要なお金を確保するには、もちろん「お金を増やす」という視点を持つことも大事です。ただし増やすと言っても、投資だけとは限りません。
公的な助成金などを十二分に活用するのはもちろんのこと、共働きや、定年後の継続勤務なども、必要な資産の確保につながります。その際、自分の健康管理が何より大切になります。なぜなら病気になってしまうと、働けなくなるリスクや、新たに生命保険に加入できなくなる、仮に保険に加入できたとしても、保険料が割高になるリスクもあります。さらには、住宅ローンも組みづらくなる恐れもあるからです。
実は、「健康で居続けること」こそが、晩婚家庭の破産を回避する最も有効な手段なのかもしれません。日ごろから食生活や運動に気を使うこと。これはぜひ覚えておいていただきたいと思います。10年後、さらには20年後の日本で、晩婚・晩産夫婦の「教育費破産」や「老後破産」が深刻な社会問題になっていないことを望むばかりです。
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