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おけまる、それま、卍…なぜ若者言葉は意味不明?

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アルファベットを使う

 若者ことばの顕著な特徴に、アルファベットを使った頭字語(とうじご)がある。

 これは「打つことば」であり、多くの場合、読み方は別にある。文字を打つ手間が省けて「ラク」である。また、暗号っぽくて「たのしい」。

 ただし、この頭字語を使う例は戦前からあり、決して新しいものではない(戦前の海軍のエリートに使われた俗語「MMK」は、「もてて、もてて、こまる」の意味)。

 SNSでは当て字も目立つ。読まれることを前提にしている当て字は、新たな特徴と言える。

 前述の「(あか)」のほかにも、「(おつ)」(おつかれ)、「(いけ)」(イケメン)、「()け面」(いけてない顔)、「(こめ)する」(コメントする)、「(わら)」(笑)、「禿同(はげどう)」(激しく同意)、「厨房(ちゅうぼう)」(中学生。「中坊」から)などがある。

 これらは、音声で交わされるのではなく、表記されたことばだからこそ意味が伝わる。

「カワイイ」から「オケマル」

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

 若者ことばの主な発信源となる女子は、「カワイイ」が口癖だ。このことからも分かるように、表現、LINEなどのスタンプ、デコ文字も「カワイイ」が好まれている。「OK」のことを「オケマル」と言うのがいい例だ。スタンプもデコ文字もカワイイから使う。

 昨年から、女子高校生の間で、「(まんじ)」がはやっているらしい。「まじ卍」と使う。この意味はさまざまで、調子に乗っている意と言う人、変なものでも、かわいいものを見たときに使うと言う人、意味がないと言う人、さらに写真を撮るときに手足を「卍」の形にして使うと言う人などいろいろだ。なんにでも「ヤバッ」と言うのに似ている。おもしろければなんでもありの女子高校生だから、そこに深い意味などない。

 今の若者ことばは、「ラク」なこと、「たのしい」ことに流れがちな現代社会を実によく反映している。

 ことばを厳密に使い分けるのを煩わしいと考え、自分の思いを丁寧に説明するのも面倒ととらえる傾向が顕著である。これに加え、表現は「カワイイ」ほうがいいという風潮がある。スマホなどの情報通信機器でコミュニケーションを交わす機会が増え、新たに多くのことばが登場した。これもまた時代を反映している。

 今後さらにこの傾向は強まりそうである。ただし、若者ことばの寿命は平均3年で、ここに取り上げた語が来年どれだけ残っているだろうか。

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プロフィル
米川 明彦( よねかわ・あきひこ
 1955年三重県生まれ。85年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。梅花女子大学文化表現学部教授。学術博士。主な著書に「俗語入門: 俗語はおもしろい!」(朝倉書店)「俗語発掘記 消えたことば辞典 」(講談社選書メチエ)など多数。

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