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万全ではない避難所の食事

避難所で配布される食事(2011年3月21日、岩手県陸前高田市で)
避難所で配布される食事(2011年3月21日、岩手県陸前高田市で)

 一方、避難所の食事にも課題はある。東日本大震災の1か月後、国連児童基金(ユニセフ)が宮城県内の避難所332か所を対象に行った「食事・栄養」調査によると、エネルギー・ビタミン摂取不足の避難所は約90%、たんぱく質不足が約80%に上った。

 中国・四川大地震(2008年)や東日本大震災など、国内外の被災地で活動をした経験を持つ東京医療保健大学の石井美恵子准教授(災害看護学)は「途上国はもともと栄養状態が悪いので、災害時の食事でも、たんぱく質が何グラムとか、ビタミン、ミネラルがどれくらい必要かとか、栄養面が考慮されるが、日本ではそうしたことが考慮されない」と指摘する。

 炭水化物中心の食事ではビタミン、ミネラル、食物繊維は不足しがちだ。東日本大震災の時の典型的な食事は「おにぎり、菓子パン、魚肉ソーセージ、牛乳」。これが、熊本地震(16年)の後はコンビニ弁当に変わった。少し前進したものの、揚げ物や炭水化物が中心であることに変わりはない。石井准教授は「先進国である日本はもう少し先を見据えなければ」と、栄養面の配慮が不足していることに警鐘を鳴らす。

 震災による直接死を逃れた後は、いかに早く栄養のバランスがとれた食生活に戻るかが課題となる。それはつまり、普段食べているものを食べるということだ。首都直下地震や南海トラフ巨大地震などが起きれば、大規模な被害が予想される。公的機関による援助である「公助」では間に合わない。カギを握るのは「自助」である。

 「普段から食事はコンビニですます、料理はしない、という人は物流が止まったら耐えられないのではないでしょうか。鍋一つ、カセットコンロ一つあれば何か作れるとか、そういう努力が必要です」(石井准教授)

「粉物」「火を使わない」料理

混ぜるだけ*レンジで蒸しパン(作者:☆めるん☆)
混ぜるだけ*レンジで蒸しパン(作者:☆めるん☆)

 被災地では、制約された条件の中で様々な工夫がなされていたようだ。料理レシピを紹介するサイト「クックパッド」が検索ワードの動向を分析している。東日本大震災後には「保存食」「非常食」「ビニール袋」「牛乳なし」など、震災前までゼロ件だった言葉が検索されるようになった。

 また、「薄力粉」「天ぷら粉」「片栗粉」「小麦粉」「すいとん」など粉物に関する言葉は10倍以上、「ホットプレート」「レンジ」「炊飯器」「ホームベーカリー」など火を使わない調理器具は5倍以上の頻度で検索されている(宮城県のみのデータ)。

 ここから読み取れるのは、どこの家庭にもある粉物を使って作る料理、ガスが復旧しなかったり余震が続いたりしたので火を使わない料理が求められていたということだ。熊本地震の後も「粉物」「調理家電」の検索が目立った。

 クックパッドでは薄力粉を使い、レンジで作る「混ぜるだけ*レンジで蒸しパン」(作者:☆めるん☆)など、家にある粉物を材料に、火を使わないレシピが紹介されている。詳細はこちら

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428881 0 深読み 2017/09/01 11:26:00 2017/09/01 11:26:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170901-OYT8I50002-T.jpg?type=thumbnail

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