手術するべきか…どうする?高齢者のがん治療

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 日本人の2人に1人が、がんになる。しかもそのリスクは、年齢とともに高まる。しかし、年を重ねるほど手術や抗がん剤による体への影響も出やすくなり、「がんの治療を受けるべきかどうか……」と家族とともに悩むケースも少なくない。私たちは、高齢期のがん治療をどう考えたらよいだろうか? 読売新聞の長期連載「医療ルネサンス」を長く担当した調査研究本部の田中秀一主任研究員が解説する。

進行度2~3期、珍しくない85歳超の手術

胃がんや大腸がんでは、85歳以上の患者の手術も珍しくない(写真はイメージ)
胃がんや大腸がんでは、85歳以上の患者の手術も珍しくない(写真はイメージ)

 国立がん研究センターによると、がんと診断された人全体に占める75歳以上の割合は、2012年に42%に上り、35%だった02年に比べて7ポイント増えた。社会の高齢化に伴い、がん患者の高齢化も確実に進んでいる。

 同センターは、がん診療連携拠点病院など全国の427医療機関で、15年にがんと診断された患者約70万人のデータを集計した。がんの種類ごとに、年齢別、進行度(1~4期)別に、どのような治療が行われたかを分析した。

 その結果、例えば胃がんでは、ある程度進行した2~3期の場合、85歳以上の患者でも6~7割が手術を受けていることが分かった。大腸がんでは、その割合は8割を超えた。

 消化器がんを専門とする佐野武・がん研有明病院副院長は、「40年前の外科の教科書には『65歳以上の高齢者の手術適応は慎重に判断する』と書かれていたが、今では80歳以上でも手術は決して珍しくない。今回の集計データを見ると、手術を受けている高齢患者は思っていた以上に多い」と驚く。

 背景には、高齢世代の体力や健康状態が向上し、「若々しい高齢者」が増えていることがある。平均寿命が伸び、寝たきりなどにならずに自立して生活できる「健康寿命」も伸びた。65歳以上の高齢者の身体機能や知的機能は、10~20年前の同年代の人たちに比べて、10歳ほど若返っている。

 心肺機能などが衰えている高齢者は、手術後に肺炎や心不全、脳卒中といった合併症を起こす可能性が高いものだ。そうしたリスクのある手術でも、安全に受けられる体力を持った高齢者が増えている、ということだろう。

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