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感情こそが生きている証し

「良識ある行動をとる動物たち」(画像をクリックすると動画へ)
「良識ある行動をとる動物たち」(画像をクリックすると動画へ)

 社会がどれだけ安全で豊かになっても、寿命がどれだけ長くなっても、もちろんiPhoneが「8」や「X」に進化したとしても、幸せになるわけではありません。

 幸せは、むしろ普段のうまくいかない人間関係の中にあります。私個人の場合、今考えると家族のことは良い思い出です。「出来の悪い子ほどかわいい」という昔の言い伝えの通りです(これを読んだら息子が怒るかもしれませんね)。

 さきほどのお母さんの話をさらに聞いていると、自分の気持ちをブログ(「規格外な夫~セロトニンが、足りません~」)につづることで、感情と向き合うことができるようになったようでした。そして、何よりも休職に追い込まれるほど悪化していた夫の病状についても、怒ったり、ののしったりするのではなく、好奇心をもって接しています。その様子は、コミックエッセーにまとめて一冊の本『規格外な夫婦 ~強迫症夫と元うつ病妻の非日常な日常~』(宝島社)になっています。

予想外の出来事に喜び

 どんな感情でも最初は予想外です。原因を探して、どうにもならないとなると落ち込んでしまうでしょう。

 たとえ、予想外なことも、途方に暮れてしまうことも、地道にセルフモニタリングを続けていけば、怒りやイライラといった感情は予測が可能です。予測ができれば対処もできます。少なくとも「今度はどうなるんだろう?」と好奇心を持つことができます。

 もし、予測困難な状況であっても心配する必要はありません。人間関係の喜びは、たいてい予想外・規格外な出来事から生じるものです。

 安全、安心、管理された人間関係だけで、果たしておもしろいと思いますか?

 最後に、Youtubeで公開されている「良識ある行動をとる動物たち」という実験を紹介したいと思います。自分とほかのメンバーが公平に扱われることを求める行動がサルにも見られたことを、オランダ生まれの心理学者フランス・ドゥ・ヴァールらが実証しています。

 この動画を見ると、オマキザルは自分が仲間より軽んじられたことで腹を立て、実験者に真剣にキレているのです。面白いですね。

【参考文献】

 ・The neural basis of altruistic punishment. Science(2004)

 ・Why?: what makes us curious(2017)

 ・モズは本当に一夫一妻? -DNAから鳥の繁殖生態を探る(西海功、1997)

プロフィル
原井 宏明( はらい・ひろあき
 岐阜大医学部卒業,米ミシガン大文学部に留学(文化人類学専攻)。国立菊池病院臨床研究部長、ハワイ大学精神科留学を経て、2008年から医療法人和楽会なごやメンタルクリニック院長。主な著書に、「『不安症』に気づいて治すノート」(すばる舎)、「うつ・不安・不眠の薬の減らし方」(秀和システム)」などがある。なごやメンタルクリニックでの治療については こちら 。なごやメンタルクリニックでの原井宏明医師の新患受付は9月末、3日間集団治療については11月で終了。

「不安症」に気づいて治すノート(すばる舎)
「不安症」に気づいて治すノート(すばる舎)

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428586 0 深読み 2017/09/24 11:11:00 2017/09/24 11:11:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170921-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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