深刻な人手不足が招くバイトの過保護化と店長受難

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「こんなはずじゃなかった」

平賀充記氏
平賀充記氏

 「もっとバイト代を稼ぎたいのに、シフトに入れない」

 「オシャレなイメージのカフェだったのに、厨房の中が汚かった」

 「簡単な仕事と聞いていたのに、覚えなきゃいけないことが多かった」

 バイトがすぐにやめてしまう職場に多く見受けられるのが、「こんなはずじゃなかった」というリアリティーショックの数々です。

 「仕事をしながら慣れればいいと言われたのに、いきなり接客させられた」

 「教わってもいないレジ打ちにとまどい、お客さんに怒鳴(どな)られイヤになった」

 人手不足の現場では、実践主義がもてはやされ、職場内訓練(OJT; On the job training)という名の無茶(むちゃ)な「ぶっつけ本番」が横行しています。

 だから、「まだ教わっていない」「聞いていたことと違う」「こんな仕事だったなんて知らなかった」……。アルバイトを含む非正規雇用者について、6か月以内の離職率が55%というデータがあります。不満を募らせたバイトスタッフは、半年を待たずに離職しているのです。

 「ブラックバイト」が問題になった数年前とは明らかに違った課題が、ここに生じています。

人手不足で生まれる「辞められ店長」

 「人件費を抑えてほしい」「利益をもっと意識してほしい」

 社長や本社(本部)からのこうしたプレッシャーに、板ばさみとなった店長は、自らが働くことで、人員不足の穴を埋め、売り上げアップを図るしかありません。

 ある飲食店の男性店長に労働状況を聞いてみました。

 「毎朝9時に出勤し、仕事を終えて店を出るのは午後11時ごろ。週に2日休めることはほとんどなく、毎月の残業は190時間に上る」とのことです。この男性店長「まだ休めるだけマシですよ」と苦笑いします。

 ところが、現場を回すことに汲々(きゅうきゅう)としているこうした多忙な店長の手からは、こぼれるようにアルバイトがやめていっている現実もあります。

 それもそのはずで、店舗運営も職場マネジメントが手薄になっているのです。

 アルバイトのシフト管理はおろか、採用すらおぼつかない状況です。ここに「辞められ店長」の生まれる背景があります。

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428473 0 深読み 2017/09/28 07:28:00 2017/09/28 07:28:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20170926-OYT8I50055-T.jpg?type=thumbnail

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