銭湯絵はアートだ…伝統受け継ぐ女性銭湯絵師の挑戦

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――どうやって銭湯絵師に?

「ゴミ屋敷」問題はなぜ片付かないのか

 銭湯を初めて訪れた後、銭湯絵師が銭湯絵の公開制作を行うと聞き、東京・お台場を訪れました。銭湯絵師が手際よく刷毛(はけ)や筆を動かすと、無機質で巨大な壁が、瞬く間に富士山と海の風景へと生まれ変わり、その職人技に魅了されました。

CMの出演シーン
CMの出演シーン

 その後も卒論の研究のために銭湯絵師の仕事場を何度も訪れて、様子を見ているうちに、「この技術が失われてしまうのはあまりにももったいない」と思うようになり、後継者が誰もいないなら自分が引き継ごうと思いました。

 大学院修了後、美術系の出版社に就職して、休みの日に銭湯絵師の手伝いをする日々でしたが、「出版社での仕事なら私より優秀な人もいる。でも、銭湯絵師の後継者は私しかいない」と決意し、出版社をやめ、銭湯絵師一本に絞りました。

 大学で学んだのは美術史で、絵を描くことはありませんでした。絵を描いていたのは高校生の頃で、当時はデッサンなどを学んだことがありましたが、その程度でした。

 銭湯絵師のところでは最初にやらせてもらったのは、足場となる木材やペンキを運ぶお手伝い。2~3年の間はローラーを使ってひたすら空の色を塗るだけでした。次は雲。影をつけて厚みを表現できるようになると、水辺や小さな松などを少しずつ描かせてもらえるようになりました。8年間修業し、2013年、30歳の時に独立しました。


――銭湯絵はどのように描くのですか。

 銭湯絵は湯気と湿気で劣化するため、本当は年に1度は塗り替えるのが理想ですが、多くの銭湯では2、3年ごとに1度塗り替えています。下描きはせず、それまで描かれていた古い絵の上に直接ローラーや刷毛でペンキを塗っていきます。下から描いていくと、ペンキが垂れた場合に絵が台無しになってしまうので、天井の方から床面に向かって描き、塗っては乾かすことを繰り返していきます。ローラーは広い空や海を一気に描くのに使い、刷毛で樹木や茂みに細かい影などを描きます。

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