「まずい給食」はなぜ配られたのか

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給食は「ファミレス」ではない

 給食を巡る問題では、居残りで食べさせられた児童が、吐いてしまったというニュースもありました。これを聞いた保護者の中には、給食でも好きなものだけを食べさせるべきで、嫌いなものを食べさせるのは良くないと考える人もいるようです。

 アレルギーが出るものは別ですが、そうした問題がない場合は嫌いな食べ物も克服しなければならないと思います。一つだけで必要な全ての栄養素を満たせる食材はないので、様々な食材をバランスよく組み合わせて食べる必要があります。給食指導では、初めはほんの一口から始めて、嫌いなものを克服しようとさせます。「吐くまで」食べさせるのはかなり特殊なケースで、多くは根気よく子どもに指導しています。

 嫌いな料理や食材がある子どもは、実はそれまでに食べたことがなかったというケースも多いのです。こうした子どもの家庭では「何を食べたい?」と聞き、好きなものだけを食べさせているケースがあります。給食費という“料金”を払っているのだから、ファミレスのように外食の一つと考え、好きなものだけを食べればいいと考えているなら、それは間違っています。

写真はイメージです
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 学校給食では子どもたちを様々な食材と出会わせることや、食事のマナー、食器の使い方、配膳や後片付けなど、本来は家庭で親が教えなければいけないことも指導しています。共働きの家庭などで忙しいから、手軽に食事を済ませたいという考えも理解できます。だからこそ、朝と夜の食事では足りていない栄養を給食で補おうとしているのです。保護者の方たちにはこうした給食の役割を知ってほしいと思います。

食育で味覚に変化も

 2005年から国も食育に取り組み、状況は少しずつ変わっています。厚生労働省の国民健康・栄養調査では、1日の食塩摂取量(20歳以上)が2006年から16年まで毎年減り続け、10年間で1.3グラム減少し、少しずつですが薄味になる傾向が出ています。私は学校における食育も成果の一因にあると思っていて、「薄味がまずい」という意識にも変化が出てくることを期待しています。

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プロフィル
金田 雅代( かねだ・まさよ
 1944年、岐阜県生まれ。同県多治見市で管理栄養士として学校や保育園の給食に30年携わった後、文部科学省の学校給食調査官、女子栄養大短期大学部教授を務めた。

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