普通の主婦が倒産寸前の町工場の社長になったワケ

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待望の赤ちゃん誕生に落胆

工場で働く社員たちを見つめる光(内山理名)(NHK提供)
工場で働く社員たちを見つめる光(内山理名)(NHK提供)

 ドラマは、夫(永井大)と息子の3人で暮らす専業主婦の有元光(内山理名)が、急逝した父・泰造(舘ひろし)の会社を継ぎ、2代目社長として奮闘する姿を描く。幼くして亡くなった兄の代わりに光を社長にしようと育ててきた泰造に反発、光は専業主婦となった。しかし、光は町工場を守ろうとする父の思いを知り、社長を継ぐことを決意する。

 亡くなった父の顔は微笑(ほほえ)んでいるように見えた。父の最期を看取(みと)った私は、「絶対に後悔しない生き方をしよう」と心に決めた。

 私には、1961年に生まれた兄・秀樹がいた。3歳のときに白血病を患い、わずか6歳で他界した。

 父は、将来、ダイヤ精機の跡取りになる男の子を望んでいた。兄を失った父にとって、待望の子どもが私だった。しかし、赤ん坊の誕生を知らせる電話に父は落胆した。「女か……」。出産後間もない母子の見舞いに、父は一度も病院に来なかったという。

銀行に見限られた“素人社長”

 「女が社長でもかまわない?」

 父が亡くなった後、2004年5月、社員や取引先に要請される形で社長を引き受けることになった。

 「女性だからって問題ないですよ」

 「会社をなんとか残してほしい」

 社員は好意的に2代目を迎えてくれた。ところが、就任間もなく会社を訪ねてきたメインバンクの支店長と担当者は違った。

 「経営悪化が止まらず、事業継続は難しい」

 「もう単独で生き残る道はありません」

 銀行は合併先を用意し、社長退陣のシナリオを提案してきた。ついこの間まで主婦だった“素人社長”を早々に見限っていたのだ。

 バブル崩壊後、ダイヤ精機は長引く景気低迷で、売り上げはピークの半分以下の約3億円に落ち込んでいた。社員数は当時と同じまま。リストラや身売りを提案されても仕方ない経営状況だった。

 それでも、私は突然の退陣提案に頭へ血が上り、「冗談じゃない。とにかく半年待って。それまでに結果を出すから」と何の当てもなく啖呵(たんか)を切った。

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