動物専門医が指摘する「間違った犬のケア」とは?

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綿棒による耳のケアはNG?!

 そんな杉村さんが、実は気になっている愛犬のケア方法がある。

 それは、綿棒を使った耳のケアだ。

 ペット用品店や通信販売では、ペット用の綿棒が売られており、愛犬の耳のケアに使っている人も多い。

 だが、犬の耳道を綿棒でこすることによって、刺激で表面の皮膚(上皮)が分厚くなるのだ。それを何度も繰り返して厚さがどんどん増すと、耳道が狭くなって通気性が悪化する。不衛生になって菌が増殖し、さらには抵抗力も落ちて外耳炎を発症してしまうという。 

綿棒を使って犬の耳を掃除するのは良くないという(写真はイメージです)
綿棒を使って犬の耳を掃除するのは良くないという(写真はイメージです)

 もともと、人間の耳には、上皮の移動で中のごみ(異物)を外に押し出す力がある。杉村さんは犬の耳にも同じ力があると考える。綿棒などの刺激で上皮が分厚くなると、その力も衰えてしまうという。

 3年ほど前、クリニックに「綿棒を多用してケアしている」という犬が連れてこられた。ぼこぼこに膨れ上がった耳の上皮の組織を採取し、病理学者に送って見てもらったところ、「外部からの(綿棒による)刺激によって上皮の細胞が増殖し、膨らんだ」という分析結果が返ってきたそうだ。

犬の耳の病気について説明する杉村さん。誤ったケアが病気を招くこともあるという
犬の耳の病気について説明する杉村さん。誤ったケアが病気を招くこともあるという

 それではペットの、犬の普段の耳のケアはどうすればよいのだろうか。

 杉村さんは「特に何も症状が見られなければ、ケアをしなくても大丈夫です。アレルギー体質の犬なら、(市販の液状)イヤークリーナーを耳の中に入れて、一定時間、顔を挟むように持ち、その後耳を振らせるケアが予防につながります」と話す。


内視鏡治療が進化

 これまでは慢性の炎症で犬の耳道の周りが腫れ、ほとんどふさがってしまうなどの症状に至ると、大きな手術をしなければ治せないとされていた。だが、今では内視鏡による治療で回復するケースが増えてきた。


 「私が診察したケースでは、たとえば耳道の切除手術をしなければならないケースは以前の10分の1ほどに減りました。さらに実績を積み重ね、より良い治療を提供していきたいですね」(杉村さん)


 クリニックでは、診察以外に電話での相談も受け付けている。犬ほどではないが、猫の耳の病気も多いそうだ。

 愛犬、愛猫の耳に異変を感じたら、しっかりと対処したい。


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プロフィル
南 文枝(みなみ・ふみえ)
 1979年、石川県生まれ。同志社大卒業後、毎日新聞記者やIT企業広報などを経て、2013年から、フリーライターとして書籍やインターネットメディアに寄稿する。現在は兵庫県・淡路島に在住。関西や四国の行政や企業、地元の話題など「地方発」の記事のほか、地方税制やフィギュアスケートなどの記事も得意とする。

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