こんなにいる!「ノーベル賞級」の日本人

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

それぞれの国・地域にある“ノーベル賞”

 世界を見渡せば「○○のノーベル賞」は様々ある。「東洋のノーベル賞」「台湾のノーベル賞」を目指すとされるのが、2014年に台湾の実業家が創設した「唐奨」だ。持続可能な開発、バイオ医薬科学、中国学、法による支配の4部門があり、第1回(14年)のバイオ医薬科学部門の受賞者には、本庶(ほんじょ)(たすく)・先端医療振興財団理事長が米国人科学者とともに選出されている。本庶氏はがん免疫治療の新薬を開発し、がん治療に新しい道を開いた。賞金は約1億8000万円とビッグで、本家ノーベル賞の約1億2500万円よりも高額だ。

2017年のブレイクスルー賞の「生命科学賞」に決まった森和俊・京都大教授
2017年のブレイクスルー賞の「生命科学賞」に決まった森和俊・京都大教授

 台湾の「唐奨」の賞金をも上回り、金額で突出しているのが、グーグルの創業関係者ら米露の資産家らによって創設された「ブレイクスルー賞」だ。賞金は約3億4000万円。12年に「基礎物理学賞」の顕彰からスタートした同賞は、今や「生命科学」「数学」も合わせた計3部門を有し、英科学誌ネイチャーからは「21世紀のノーベル賞」、科学者の間では「シリコンバレーのノーベル賞」などと評されている。この賞を受賞した科学者が後にノーベル賞を受賞することが多いことから、「本家ノーベル賞の前哨戦」とも言われている。

 17年の生命科学賞には、細胞内小器官の研究で知られる森和俊・京都大学教授らが決まった。森氏は国際的な科学賞をいくつも受賞し、ノーベル賞の有力な候補者だ。

 16年にノーベル生理学・医学賞に輝いた大隅良典・東京工業大学栄誉教授は、ノーベル賞決定前にブレイクスルー賞内定の連絡を受けていた。大隅氏は16年12月、ノーベル賞の授賞式に向けて日本を出国したが、まず米国シリコンバレーを訪ねてブレイクスルー賞の授賞式に出席し、その後にスウェーデンに移動した。まさに両賞の“近接ぶり”がうかがえるエピソードだ。大隅氏は17年、学生を支援する奨学金と基礎研究に助成する財団を設立したが、その資金は、ノーベル賞とともにブレイクスルー賞の賞金が原資となったという。

2016年のブレイクスルー賞授賞式で、喜びを語る大隅良典・東京工業大学栄誉教授
2016年のブレイクスルー賞授賞式で、喜びを語る大隅良典・東京工業大学栄誉教授

 日本にも、国際的な評価を得ている賞がある。

 「日本版ノーベル賞」を目指し、パナソニックの創始者である故・松下幸之助氏の発案で1985年に誕生した「日本国際賞」だ。「物理・化学・情報・工学」と「生命・農学・医学」の2領域に分かれ、賞金は各5000万円。既にノーベル物理学賞を受賞していた江崎玲於奈・横浜薬科大学学長に贈った事例(1998年)もあるが、例年の傾向をみると、いわゆる「ノーベル賞の候補者」として下馬評にのぼる科学者が選ばれることが多い。

 実際、2007年春には巨大磁気抵抗の研究でドイツ人のペーター・グリュンベルグ博士が日本国際賞を受賞し、同じ年の12月にノーベル物理学賞を受賞した例もある。近年では鉄系超電導の研究で名高い細野秀雄・東京工業大学教授や、コレステロールを下げる物質を発見した遠藤章・東京農工大学特別栄誉教授らが同賞の栄誉に輝いている。

 科学分野からは離れるが、「アジアのノーベル賞」として有名なのが、フィリピンの非営利組織が運営する「マグサイサイ賞」だ。報道・芸術表現から国際理解・平和活動、社会奉仕まで様々な対象分野があり、日本からは映画監督の黒沢明氏や水俣病を告発してきた作家の石牟礼道子氏、パキスタン、アフガニスタンの医療支援・インフラ整備に尽力する中村哲医師など、各界から多数の受賞者が出ている。17年は、アンコールワット遺跡の修復保存活動に尽くした石澤良昭・元上智大学学長に賞が贈られた。

【あわせて読みたい】
日本人女性がノーベル賞を取る「秘策」はあるか
カズオ・イシグロがノーベル文学賞に選ばれた理由
カズオ・イシグロと村上春樹 文学の違いはどこに?
より深い理解と感動へ、英語で読むカズオ・イシグロ

1

2

3

4

無断転載・複製を禁じます
427137 0 深読み 2017/12/10 05:20:00 2017/12/10 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20171208-OYT8I50030-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ