大学受験「とりあえずMARCH」の落とし穴
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MARCHはあの頃とまったく違う
MARCHの5大学は、いずれも熱心に大学改革を進めてきた。分かりやすい例の一つが、学部・学科の再編だろう。表は、1998年以降に新設された学部を色分けしている。



再編のペースに違いはあるものの、99年以降に学部数を15へ増やした法政を筆頭に、5大学はこの20年で学部・学科の多様化を少しずつ進めてきた。
「自分たちのときにこんな学部なかった」
「いったい何を勉強する学部なのか分からない」
こう感じる卒業生も多いだろう。新設学部の中には、教育関係者でない限り、名称だけではその内容を正確に想像しにくい学部もあるかもしれない。
新設された学部は、<1>文系・理系の分類が難しい文理横断的な学部が多い <2>女子学生を意識した学部が多い <3>留学や外国語教育をウリにした「国際・グローバル系」と言われる学部が目立つ――といった三つの傾向が読み取れる。
こうした学部の増加・多様化は、MARCHに限らず、大学業界全体に見られる一種の「流行」でもあるが、多くの学生の受け皿であるこれら5大学の動向が、そうしたトレンドを促進させている部分もあるだろう。多くのビジネスパーソンを経済界に送り出してきただけあって、各大学とも社会からの要請を反映させているように思われる。
注目集める立教・経営学部

新設学部には、「キャリアデザイン学部」(法政)のように新しい学問分野の開拓に挑戦する学部や、「社会情報学部」(青山学院)のように文系・理系の垣根を越えたカリキュラムを用意するなど、歴史のある既存学部とはまた違う、思い切ったコンセプトを掲げている学部が少なくない。
グローバル教育を看板にする学部では、専門教育も含めた授業の大部分を英語で行い、留学を必須にするといった最近の時勢に合わせた取り組みが広がっているようだ。
この中で、最近特に注目を集めているのが立教の経営学部だ。2006年に設立された新顔だが、リーダーシップ教育やグローバル人材の育成など、これまでの経営学部にはない特色を打ち出している。
少人数教育の徹底、授業を担当する教員同士の密なコミュニケーション、企業などと連携しての実践的な授業などに力を注ぐ。企業からの評価も高く、就職実績も高い。河合塾などが発表する入学難易度(いわゆる「偏差値」)でも早慶と並ぶ地位を得つつある。
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