「エルサレムは首都」…トランプ氏が開いた混乱の扉

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世界に広がる反発

6日、ホワイトハウスからの演説で、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館をエルサレムに移転する」との宣言を行った後、自身の署名が入った宣言文を掲げるトランプ米大統領。後方で見守るのはペンス副大統領(ロイター)
6日、ホワイトハウスからの演説で、「エルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館をエルサレムに移転する」との宣言を行った後、自身の署名が入った宣言文を掲げるトランプ米大統領。後方で見守るのはペンス副大統領(ロイター)

 トランプ大統領の発表があった翌日の7日、私はカイロのアメリカン大学を訪問していた。大学構内では100人以上の学生たちが「エルサレムはパレスチナの首都である」と書かれた横断幕を掲げ、「占領は違法である。シオニスト(パレスチナの地にユダヤ人の国家を建設しようとする人たち)は出て行け!」と叫びながらデモ行進をしていた。

 現地の新聞には、「第3次インティファーダ(民衆蜂起)が始まる」といった緊張の高まりを示す見出しが躍り、パレスチナ自治区内や自治区とエルサレムを分けるイスラエルの検問所などで発生した激しい衝突の写真が1面に大きく掲載されていた。

 欧州連合、アラブ連盟、イスラム協力機構などの国際機関は、トランプ大統領のエルサレム首都宣言を一様に強く非難し、国連事務総長も和平交渉への悪影響を懸念すると述べた。近隣のレバノン、トルコなどに加え、遠く離れたモロッコ、マレーシア、インドネシアなどでも、大規模なデモが発生した。

 中でも特に強く反発しているのが、イスラム世界のリーダーを自認しているトルコのエルドアン大統領だ。イスラエルを「テロ国家」であると非難し、場合によってはイスラエルとの国交を断絶するとまで発言している。

大使館移転、実現は先か

 前述の通り、パレスチナ人は東エルサレムを将来のパレスチナ国家の首都と位置づけており、パレスチナ自治区でも住民が激しく反発、抗議行動を繰り広げた。ガザ地区ではイスラエル軍との間でミサイルの応酬となり、トランプ氏の宣言から10日間のうちに少なくとも8人のパレスチナ人が犠牲になり、数百人が負傷した。

 本当に米国が大使館をエルサレムに移すことになれば、さらに大きな混乱が予想されるが、実際には移転はそう簡単ではない。ティラーソン米国務長官が「様々な手続きが必要で、少なくとも年単位の時間がかかる」と言及していることに加え、今回の発表直後にトランプ大統領は大使館移転を6か月間延期する大統領令に再度署名した。建設予定地の確保がまだというのが理由だ。実際の移転は当面ないものとみられる。

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